帰郷-リターンマイカントゥリー-part4/盗まれた友達
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「お父さーーん!」
以前にも増してさらに強くなったコスモスとムサシ。一つになった二人を見て、アヤノとソラが笑顔を浮かべた。そんな二人に向け、コスモスは深く頷いた。
だが、コスモスたちは油断していた。今回の黒幕であるチャリジャが、すでにコスモスたちが守ろうとしていた怪獣たちに魔の手を伸ばしていたことを。
「今だ」
遠くから、自分が差し向けたヘルズキングたちと戦っているコスモスや怪獣たちを見ながらチャリジャが、いつの間にか自分の隣に立つ怪人に言う。
その怪人は一枚の赤い布を取り出すと、それを空に向けて放り出す。すると、その赤い布は空を覆い尽くすほどの大きさに拡大した。
「!」
空を見上げたコスモスや怪獣たちは、空を覆いだしたその巨大な赤い布に危機感を覚えた。まずい、すぐに消さなければ。リドリアスら遠距離攻撃が可能な怪獣たちが赤い布に向けて一斉に攻撃を仕掛けようとして、コスモスも必殺光線を放とうとした。
しかし、その時だった。
「グォ!?」
コスモスは背後から何者かに捕まってしまう。振り返ると、倒したはずのヘルズキングがコスモスを捕まえていたのだ。てっきり倒したとばかり思っていたその思い込みが、油断を生んでしまった。ヘルズキングは、邪魔と言わんばかりにコスモスを赤い布の範囲外へ投げ飛ばした。
「コスモス!」
カオスヘッダーはそれを見てコスモスを助けに向かおうとしたが、そんな彼に一発のレーザーが突き刺さった。
「グガア!!」
たった一発の光弾。それだけならカオスヘッダーほどの猛者に大したダメージは与えられないはずだ。だが、このときのカオスヘッダーは、予想以上にダメージを受けていた。
「何…!?」
予想外のダメージで、カオスヘッダーは動けなくなる。
「ほほぉ、さすがに弱点なだけあってなかなか効いたようですな」
カオスヘッダーはその声の方に視線を向ける。目の前で、空中に浮いた状態のチャリジャが笑いながら立っていた。手には、一発の変わった銃が握られている。
「貴様…今のは…まさか…!」
今自分を襲った弾丸は、間違いなくチャリジャが撃ったものだ。だが、たかが一発の銃弾で自分がここまで大きなダメージを受ける理由。カオスヘッダーは、嫌な予感をよぎらせた。
「そう、あなたの苦手とする『ソアック鉱石』を内蔵した特殊弾ですよ。あなたほどの魔物を相手にするなら当然でしょう?ちなみに結構な量のソアック鉱石を凝縮してますからしばらくは動けませんよ」
ソアック鉱石とは、『コスモスペース』の月で発見された特殊な鉱石である。その鉱石が放つ光はカオスヘッダーにとって毒であり、コスモスたちとカオスヘッダーが対立しあっていた頃は、カオスヘッダーとの戦いにおいて切り札になったことがある。それが逆に、善なる存在となったカオスヘッダーを殺す魔の一撃となるとは、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ