第十章 仮想世界
第8-3話 上条と八舞姉妹
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連れて帰ろうとした。
と。
耶倶矢「あ、ちょっと待って」
夕弦「首肯。渡したいものがあります」
二人はそう言ってかばんの中からあるものを取り出した。
上条「キーホルダー?」
それは三センチくらいの可愛いイルカの小さなキーホルダーだった。
上条「えっと……急にどうしたんだ?」
耶倶矢「まぁ、今日つきあってくれたお礼もあるんだけど……」
夕弦「感謝。私たちを救ってくれたお礼も兼ねてです」
上条「救ってくれたお礼?」
耶倶矢「ほら、修学旅行の時の……」
言われて、上条は二人が何が言いたいのか理解した。確かにあの時は士道と一緒に色々苦労した。二人は喧嘩するわ、DEM社が乱入してくるわ、空中でもなんか戦っていたわ……。
だが、本当の意味で彼女達を救ったのは……
上条「それをしたのは士道だろ?」
耶倶矢「最終的にはそうだけど、でも当麻の協力があったから私たちは救われたと思ってる」
夕弦「同意。もしお二人がいなかったら今頃私たちは……」
どっちかがいなくなっていた。
それは、言葉にしなくても伝わった。
もし、上条が少しでも二人を救えたなら、心の支えになっているというのなら。
上条「……ありがとう。大切にするよ」
上条は、その好意を素直に受け取ることにした。
上条「なくしそうだなぁ……」
耶倶矢「なくしたら、わかってるよね……?」
夕弦「首肯。首飾りと同じくらい大切にてください」
上条「さっそく上条さんの命がヤバいッ!!」
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