第十章 仮想世界
第8-3話 上条と八舞姉妹
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も意味がないので三人は入場ゲートへと向かった。
受付のお姉さんに割引券を見せてそれぞれ料金を払う。
チケットを受け取って入場ゲートを通った。
そこから道なりに歩いていくと大きなガラス越しに色とりどりの魚が優雅に泳いでいたり、一際存在感を放つクジラがいた。隣の小さなガラスの向こうにはカニや深海魚、貝類など様々いた。
耶倶矢「天界より与えられし力が我らを引き寄せる……」
夕弦「要約。とても大きいです」
耶倶矢と夕弦は深海魚たちよりもやっぱり大きなクジラが気になっていたようだ。ガラスに手のひらを押しつけて一番近いところでその姿を眺めている。
その頃上条はというと……
上条「……うーん」
小さなガラスの向こうにいるキングクラブを眺めているのだが……どう見ても敵意丸出しだ。上条の何が気に入らないのだろうか……
ちなみにどうして耶倶矢と夕弦と離れて見ているのには二つ理由がある。
一つは魚達が逃げないため。
もう一つは……
「ねぇ、あの二人可愛くない?」
「本当!まるでお人形さんみたい。姉妹でかわいいなんて羨ましいなぁ……」
「……やばい、俺のタイプだ」
「お、俺右の子狙おうかな……」
「……あんた何あの姉妹に色目使ってんの?」
「ご、ごめん!…………やっぱ可愛いな」
男子はもちろん、女子にまで人気の二人だ。ましてや彼女持ちの男でさえその美貌にみとれてしまうほど。
そんな二人と仲良く話す男がいたら一体どうなるか……
上条「(絶対に殺されるッ!!)」
主に非リア充に。
だが今なら間に合う。
ここで人混みに紛れてはぐれたフリをして先に外に出よう。その上で二人にメールして人が少ない場所を待ち合わせにして帰る!後で服でも買ってあげれば機嫌を損ねることもないだろう。
上条「(完璧だ……)」
その作戦をきっちり頭にいれて行動に移そうとした、
その時。
耶倶矢「ふむ。我が愚兄は力強い蟹が好きなのか」
夕弦「驚嘆。かっこいいです」
上条「……」
……さて。
どうしたものか……。
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あの後上条は(見た目だけなら)絶世の美女を両脇に抱えながら水族館をまわったので主に男子の嫉妬の目線を前後左右から受け続けることになった。辛い以外何物でもなかった。
耶倶矢「あー楽しかった!」
夕弦「感激。イルカショーは最高でした」
……ま、二人が楽しかったならいっか。
沈みかけの夕日をバックに無邪気にはしゃぐ二人を見てそう思った。
上条「さ、帰ろうぜ」
もう時間は遅い。上条は二人を
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