第2章 異世界戦記
第35話『異世界』
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に聳える巨大な城は、今入り口を通ったばかりの晴登達からは少し見上げた位置にあった。あの城からの景色は、きっと絶景だろうと思う。
しかも驚くのはそれだけでない。
ここは王都。即ち、全ての中枢を担う都市なのだ。
人口だって馬鹿にならない。見えるものは、人、人、建物、人、人・・・だ。
ショッピングモールだとか、スタジアムだとか…そんな物では比にならないほど、人々でごった返している。
だが、そんな状況を気にせずに・・・
「じゃあ早速行こ! 連れて行きたい場所があるんだ!」
ユヅキは意気揚々に言うと、晴登の手を引っ張り走り始めた。
人と人の間をすり抜け、たまに路地裏を活用。王都には慣れているのだと、彼の行動から察せる。
ちなみに、この王都はホントにあの村との距離は遠くなかった。簡単な話、乗り物が必要でない距離だ。
道中、鬱蒼とした森に入った時は少しヒヤヒヤしたが、森を抜けるととてつもなくデカい関所が見え、そこから容易に王都に入った。
警備が緩くないかと、その時は一瞬考えたが、入れたなら万事オッケーである。
・・・と、そろそろ目的地が近付いてきたのか、ユヅキの走りが遅くなった。
されるがままに手をずっと引っ張られてたから、かなり身体がキツい。そういえぱ少し前まで怪我人だったのだった。
「まるで迷路だな…。ユヅキは結構行き慣れてるの?」
横に高々と聳える家々の壁を見上げながら、晴登はユヅキに問う。
だがユヅキは、その問いに反応すら見せなかった。
「あれ?」と思い、晴登は視点を横の壁からユヅキへ移す。
そこでようやく、ユヅキが遅くなった理由など諸々含む“事態”に気付いた。
「え、ちょっと…これって…」
ユヅキが見据える路地裏の先・・・そこには『チンピラ』という言葉がよく似合いそうな3人組が、こちらの通り道を塞ぐように立っていた。
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