第三十話 作戦準備
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制圧さえすれば、大丈夫だ。」
長門はうなずいた。
「深海棲艦といえども陸上を奪還できる力はないし、基地航空隊に関しては各基地から潤沢な供給が可能だ。数百機、数千機の航空機の前では、深海棲艦等問題にならない。」
「わかりました。では、同島攻略に関して、私から作戦立案をしてもよろしいでしょうか?」
「言ってくれ。」
長門は身を乗り出した。
「沖ノ島同様、今までの敵の行動から見て、敵には中枢艦隊が必ず存在するはずです。数で劣る私たちが唯一勝ち得る方法は、敵の指揮系統を殲滅し、敵を混乱させ、退却させることです。敵中枢艦隊の殲滅を目標として行動すべきだと思います。」
「同感だ。我々が勝つとしたらそれしか方法がない。問題はどうやって撃破できるかだ。」
「はい。数で劣る私たちは正面からのぶつかり合いでは勝ち目はありません・・・・。そこで沖ノ島攻略作戦を少しアレンジしたいのです。具体的には、前面に配備されたこの強力な敵艦隊を引きずり出し・・・・開いた空隙に高速艦隊を突入させ、一気に同島の中枢艦隊を撃滅します。」
「問題は、敵がそれに乗るかどうかだね。」
飛龍が片手を地図にかざしながら言った。
「敵にすれば追撃せずに迎撃に徹していればそれで済む話だし。」
「私もそれを考えました。ですが、今までの深海棲艦の動きは消極ではなく積極攻勢にあります。必ず陽動艦隊を追撃するはずです。沖ノ島の時も紆余曲折はありましたが、艦隊を引きずり出し陣形を混乱させることに成功しています。」
赤城は盤上の駒を手に取った。
「作戦第一次はまず空母部隊による艦載機の奇襲攻撃を遠距離から行います。100キロ地点から艦載機を発艦させ超低空飛行で機動艦隊及び水上部隊に接近、これに一撃を加えます。それに呼応して第二陣の高速艦隊を側面から突入、混乱する敵に一撃を加え、戦線を離脱させます。離脱方向はそれぞれ6時と11時の方向に。相対速度0を保ちながら敵を分散させるのです。」
赤城の手が滑るように頭上を動き、味方の駒を、そして敵の駒を動かしていく。
「第二次は主力高速艦隊での全力を挙げたミッドウェー諸島内への突入です。航空部隊と連携し、一気に同島を制圧、占領します。」
赤城は口を閉ざした。話が終わっても、誰もが口を利かなかったし、誰も動こうとしなかった。この作戦を承認した瞬間、もう後戻りできないこととなる。そのことが発言をためらわせているのかもしれなかった。
「赤城。」
長門がようやく口を開いた。
「少し考えさせてくれないか?作戦計画を5人だけで決めていいものか・・・測り兼ねているのだ。」
「はい。ですが、時間はありません。即急な行動開始が求められます。」
「わかっている。ご苦労だった。いったん解散してくれ。」
赤城は一礼すると、会議室を退出した。比叡も出ていったが、飛龍は
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