第三十話 作戦準備
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右するのは・・・・。」
利根は自分の胸にドンと手を当てた。
「ここじゃ。」
「あら、じゃあ私はあなたに勝つわね。・・・その大きさなら。」
そう言ってビスマルクは誇らしげに胸を張って見せた。
「なっ!?」
利根が珍しく真っ赤になってうろたえた。
「ち、ちがっ!!そういう話をしておるのではなくてなぁ――。」
「二人とも何を話しているのですか?」
鳳翔と瑞鳳が不思議そうに見ている。利根は大きな咳払いをしてごまかした。
「いや、なに。先ほどの話に戻るが、どうして瑞鳳を戻す先が呉鎮守府なのかということじゃ。佐世保鎮守府であったとしても作戦行動には支障はない。むしろ南西諸島方面の敵をけん制する意味でも、瑞鳳はそちらに向かった方が良いのではないか?」
鳳翔たちは顔を見合わせた。伊国からの艦娘たちを配属させたことと言い、瑞鳳の配属といい、どうも呉鎮守府を優遇しすぎているようなきらいがある。先ほども提督が言っていたが、それでは戦力の配置という点においては、まずいのではないだろうか。
仮に艦娘を戻させるとしても、広大な南西諸島を防衛する佐世保鎮守府やシーアン通商連合との航路確保を担う舞鶴鎮守府にも増援の艦娘を差し向けるべきではないのだろうか。
「わかりません。平たく見れば、ヤマトは横須賀鎮守府と呉鎮守府に兵力を集中させる必要に迫られた、ということでしょうが・・・・。」
「が?どうしたの?」
鳳翔はと息を吐いた。
「とにかく、今日はもう遅いですから、寝てください。利根さんもビスマルクさんも。明後日正式に作戦の概要と戦略会議を開催します。」
「はい!皆さん、おやすみなさい。」
瑞鳳は礼儀正しくあいさつして引き揚げていった。利根もビスマルクもそれに倣ったが、鳳翔の最後の態度が脳裏に残って仕方がなかった。
翌々日、呉鎮守府会議室――。
「今回の作戦は横須賀鎮守府の大規模作戦に呼応し、南太平洋上に進出、敵艦隊の目を引き付ける陽動作戦です。」
鳳翔は皆を見まわしながら説明した。
「したがって、不審がられない程度に、しかしできるだけ派手に敵の眼を引きつける必要があります。」
「正攻法ね!!正面作戦なら私にお任せよ!!」
足柄が胸を叩いた。
「ええ、足柄さんにも重要な役割を担ってもらいます。」
鳳翔が微笑んだ。そしてディスプレイに広大な太平洋の海図を移しだし、ある海域をクローズアップさせた。
「呉鎮守府はここ・・・南太平洋上の北方に位置するマリアナ諸島に進出し、これを制圧。一時的にここを根拠地とし、迎撃に展開する深海棲艦を撃破します。」
「呉鎮守府を離れるんですか?」
暁がびっくりしたような声を上げた。
他の艦娘たちも不安そうだった。今までは巡航任務で数日鎮守府を離れたことはあっても長期にわたり鎮守府を留守にし
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