第三十話 作戦準備
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よ。」
二人の到着を聞きつけた呉鎮守府の艦娘たちが息を切らしながら駆け寄ってくるのが見えた。
その日の夜、呉鎮守府戦艦寮――。
「あ、あぁ〜〜・・・・・。」
リットリオはベッドの上にへたり込むように腰かけたかと思うとばったり仰向けになってしまった。
「姉さんはしたないです。」
鏡に向かって髪をとかしていたローマがちろと横目でリットリオを眺めながら言った。
「ごめんなさい。でも、とても疲れてしまって・・・・。あなたは立派ね。全然疲れたそぶりも見せないで最後まで相手をしていたものね。」
「私だって疲れています。でも、弱みを見せるわけにはいきませんから。」
「そんな肩ひじ張らなくても・・・・みんないい人だと思うな、私は。」
「皆さんがいい人かそうでないかはどうでもいいのです。私たちは公国を代表してヤマトの救援に差し向けられたのですから、弱いところを見せてはだめなんです。」
「そうかなぁ・・・。」
リットリオは妹の考えに首をかしげていた。弱みがあろうがなかろうが呉鎮守府の艦娘たちは皆そんなことを気にしない人柄のように思えたし、何より常日頃そういうことを考えていると、どんどんと疲労がたまっていくような気がしてならない。
そういえば、ローマは歓迎の宴会の席でもややみんなと距離を置いたような話し方をしていたし、出された料理やお酒を断らなかったけれど、何か無理をして食べていたような気がしたのだ。
「でも、さすがに日本のお酒は強かったわ。あの独特の・・・ニホンシュというものは癖があるわね。」
「確かに強烈だったわね。私も少し飲みすぎたかもしれないわ。ごめん、ローマ。先に寝るね。」
ローマは静かに鏡の前から立ち上がると、リットリオのベッドのそばに立った。
「リットリオ姉様。」
「なに?」
「歯を磨いてからにしてください。」
「あ・・・・。」
リットリオは顔を赤くしながら起き上った。
同時刻、提督の執務室から出てきた鳳翔、利根、ビスマルクはお休みを言い合っていた。
「まぁ、リットリオに関しては問題ないと思うわ。素直でいい子のようだし。問題はローマよね。ああも肩ひじ張っているとこっちももてあましてしまうわ。そんなに気張らなくてもいいのに。」
「お主の様なおおらかな人柄はむしろ珍しいと思うぞ。知らぬ異国の地で知り合いもいない環境では多かれ少なかれ誰しもがローマの様な態度をとることもありうるのじゃ。」
「そうですね。でも、一日も早く私たちと何の気兼ねもなくお話ができるようになってほしいです。外国、自国以前に私たちは同じ艦娘なのですから・・・・。」
鳳翔はほっと吐息を吐いた。
「・・・・鳳翔、おぬしまだ・・・・・。」
利根が鳳翔を見つめた。
「・・・紀伊さんや皆さんに励まされてここに戻ってきましたけれど、まだ気持ちの整
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