第三十話 作戦準備
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と、ローマ。
「駄目よ。ローマ、そんなことを言っちゃ失礼でしょ。」
たしなめる姉にローマはむしろ憤然として、
「リットリオ姉様。私たちは故国の威信を背負ってここにきてるんですから、相手に付け入る隙を与えちゃいけません。」
「そんな、だって――。」
「あら、どちら様ですの?」
不意に横合いから声がかかった。
「ひゃあっ!!!」
ローマが躍り上がるようにして飛び上った。
「あら、ごめんなさい。ビックリさせてしまって。」
熊野が灰色の瞳を見開いた。
「よ、横合いからいきなり声をかけないで。ビックリしたじゃない。」
ローマが胸に手を当てた。
「ごめんなさい。この子急に声をかけられるの慣れてなくて。あ、私たちは今度こちらでお世話になります、パスタの国から・・・じゃなかった、ガリヴァルディ公国から参りましたヴィットリオ・ヴェネト級2番艦、リットリオです。こちらは妹のローマです。よろしくお願いします。」
「ヴィットリオ・ヴェネト級4番艦ローマよ。よろしく。」
先ほどの驚きが恥ずかしいのか、やや早口のぶっきらぼうな声だった。
「あら、あなたたちが噂の外国からいらした方々なのですね。よろしくお願いしますわ。わたくしは熊野。最上型重巡洋艦4番艦ですわ。」
「よろしくお願いします。」
リットリオは頭を下げた。
「ごめんなさいね。あなたたちの到着は明日だと伺っていたものですから、まだ皆知らないのですわ。急いで知らせてきますから、ここで待っていてくださいませんこと?」
「構わないわ。というか、むしろそんな大仰なことは要らないから、提督に案内してもらえる?」
「いいえ、せっかくいらしていただいたのに歓迎の式典もないのでは呉鎮守府として恥ずかしい限りですもの、お待ちになっていて!」
「あ、ちょっ――!」
ローマが声をかけようとしたときには熊野の姿は遥か彼方に行ってしまっていた。
「日本の艦娘って・・・・話聞かないのかしら。」
「そんなことはないと思うけど・・・。あ。」
「あ。」
リットリオとちょうど埠頭に上がってきた艦娘たちがばったり目を合わせて固まった。
「あ、あの、あの!!私たち今度ここでお世話になるリットリオとローマです。よろしくお願いします!」
「あっ!!この人たちが外国から来た艦娘さんたちなのです?」
「そうみたいね。初めまして!!私たち、第6駆逐隊の暁、雷、電、響です。」
暁は自己紹介してから、正面の大きな赤煉瓦の建物を指さした。
「まだ、司令官にあいさつに行ってないですか?」
「まだここに着いたばかりなんですけど、さっき熊野さんという方が皆を呼んでくるからっていってしまって・・・・・。」
「なら、ここで待ってようよ。ねぇ、暁。」
と雷。
「そうね。もうじきみんなも来ると思うし・・・ってほら、早速来たわ
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