Track 3 STOMP:DASH!!
活動報告15 みゅーじっく ・ すたーと! 3 『ファーストライブ』
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そんなお姉ちゃん達の背中を見つめていた私の耳に、緞帳が閉じる音が聞こえてきた。
えっ? 何で?? だって私達、これから前座をやるんだよ???
私はお姉ちゃん達のライブが始まる訳じゃないのに、緞帳が閉じることに戸惑いを覚えていた。
いや、良くは知らないんだけど。前座って、別に緞帳を閉じる必要はないと思うし?
それに、1番最後に歩いていた真姫さんが――
「お客さんが全員入ったら、ちゃんと合図があるから」
そんなことを言っていたんだけど、前座って別に全員が入らなくても問題ないんじゃないの?
まぁ、あまり早くにスタートしたらお姉ちゃん達に準備が間に合わないからかな?
とにかく今の現状を把握できていない私達の視界の先を、緞帳が再び完全に覆っていた。そして――
「まもなく μ'LL と Dream Tree の合同ライブが開催されます。ご覧になる方はお急ぎください」
ヒデコ先輩の声でライブ開始を知らせるアナウンスが聞こえてきたのだった。
そこで私は全てを把握した。隣にいる亜里沙と涼風も把握したのだろう。
3人で顔を見合わせて苦笑いを浮かべるのだった。
お姉ちゃん達は、初めから私達に『前座』をやってもらおうとは考えていなかったんだね。
前座はあくまでも私達をステージへ立たせる為の口実。
そう、最初から『合同ライブ』をやるのが目的だったのだろう。その証拠に――
まだライブが始められないと言っていたお姉ちゃん達は、既に衣装に着替え終えてステージ袖にいる。
しかも手にはしっかりとサイリウムを持って!
とは言え、ことサイリウムに関してはお姉ちゃん達よりも周りの人の方が詳しいようで、近くに来ていたカオリに使い方を聞いて、驚いたり楽しんだりしていた。
と言うか、お姉ちゃん。いくらお父さんもお母さんもしているからってバルログ持ちは周りに迷惑だからやめてよ? なんてね。
♪♪♪
「……ねぇ、亜里沙……涼風……」
「ん?」
「何?」
私はステージ袖のお姉ちゃん達を眺めながら、心が暖かくなり、嬉しくもなり、幸せな気分になっていた。
でも、それだけじゃダメなんだ。だって私達はスクールアイドルなんだから。
今度はみんなへ返す番なんだ。今の私達ができる精一杯の想いを込めて。
私はお姉ちゃん達を眺めながら、亜里沙と涼風に声をかける。私の言葉に返事をする2人。
私は2人に、とある提案を持ちかけるのだった。
「せっかく、もう1度ライブができるんだしさ……こんなビックリするような機会を与えてくれたお姉ちゃん達にも、ビックリしてもらいたくない?」
「うん! そうだよね?」
「是非とも、ビックリしてもらいましょう?」
「じゃあ、アレ……やるからね?
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