Track 3 STOMP:DASH!!
活動報告15 みゅーじっく ・ すたーと! 3 『ファーストライブ』
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姉ちゃんとの距離が近くなった気がする。錯覚なのかも知れないんだけど?
私がお姉ちゃんと同じステージに立てたからかな? そうだと良いな?
そんな風に思った私は、少し前を歩いていたお姉ちゃんの背中に――
「ありがとう、お姉ちゃん……大好きだよ」
そう呟いていた。もちろん呟き程度の声だし、背中向けているし、雑踏で私の呟きなんて届いていないだろう。
だけど、今は言葉にできただけで良いんだ。だって背中を追いかけている今の私には、これで十分なんだから。
それでも必ず、いつかは隣を歩いて、ちゃんとお姉ちゃんに聞こえるように言いたいな?
私は、お姉ちゃんの小さいけど大きな背中を見つめて、そんなことを思っていた。
そんな家までの帰り道。少し遠い距離のお姉ちゃんに近づくように、一生懸命追いかけながら歩いていたのだった。
♪♪♪
翌日の昼休み。私達は部室を目指して歩いていた。
今日はライブの翌日と言うことで、朝練も放課後の練習もお休みだった。
でも、その代わりにお昼休みに昨日の反省会をしておこうと、部室に集合するように花陽さんに言われていた。
だから私と亜里沙と涼風は揃って部室へ来たのだった。
「「「お疲れ様です!」」」
「――た」
「「「……?」」」
私達が挨拶をして中に入ると、PCに向かい背中を向けている花陽さんが目に入った。
花陽さんは私達が入ってきたことにも気づかずに、独り言のように言葉を発した。
私達が疑問に思いながら見つめていると――
「た、た、た、た――」
花陽さんは、未だにPCに釘付けになりながら、徐々に声が大きくなっていき――
「たいへんですぅーーーーーー!!」
突然、大音量で叫んだのだった。
そして、叫んだかと思うと凄まじいほどの勢いでキーボードを叩きながら、画面を食い入るように見つめて何やら独り言を呟いていた。
そんな豹変した花陽さんを唖然となりながら見つめていた私だったけど、以前お姉ちゃんに聞いたことを思い出していた。
そう、お姉ちゃんは――
「花陽ちゃんが『大変ですぅー!』って叫びながら豹変する時は、必ず楽しいことが始まる前兆なんだよ!」
そう言っていた。
楽しいこと。それは私達にも降り注いでくれるのかな? そうだと嬉しいな?
そんな期待感と高揚感を胸に、私達の、お姉ちゃん達の――
国立音ノ木坂学院アイドル研究部へと降り注ぐ新しい『楽しいミライ』を知る為に、花陽さんの方へと近づくのだった。
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