Track 3 STOMP:DASH!!
活動報告15 みゅーじっく ・ すたーと! 1 『ファーストライブ』
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たのだった。
「ねぇ、穂乃果? まさかとは思うんだけど――」
「うん。そのまさかだよ? あっ、似てた?」
「やっぱり……と言うよりも、私ってそんなイメージだったの?」
「うーん。自分では似ていたと思うんだけどなぁ……」
「いやいや、穂乃果ちゃんの場合……言ってみれば、愛のムチやからねぇ。えりちみたいに全面否定オーラを醸し出せておらんから、及第点ってところなんやない?」
「……ねぇ、希? まさかとは思うんだけど――」
「うん。そのまさかやね? あの時のえりちは、本当に穂乃果ちゃん達をやめさせようとしていたんやし? 真実やと思うけどなぁ? せやから、穂乃果ちゃん以上に冷たくて怖いってイメージやったね?」
「そ、そんなに!?」
「そうね? 確かにあの時のあんたは鬼気迫るイメージだったわねぇ。だからなんじゃない? 花陽と凛があんたを苦手だったのって?」
「……2人とも、そんな風には見えなかったけど?」
「いや、メンバーに入る前の話よ? まぁ、あたしもあの頃はあんたと同じような感じだったし、他人の事は言えないんだけどね?」
「…………」
「……何よ、希? 人の顔を不思議そうに見て……何か文句あんの?」
「いや? えりちと、にこっちが同じって言うとるから……えりちは確かに怖かったけど、にこっちは可愛いってイメージしかないんやけど?」
「うぐぐ……人を子供扱いしないでよ!」
「あぁれぇ? ウチは別に子供なんて言うとらんけどぉ?」
「希……あんたねぇ?」
こんな風に、何時の間にか周囲に流れていた不穏な空気は姿を消して、他愛のない会話が繰り広げられていたのだった。
正直、その時の私には理解できない会話だったんだけどね?
例の如く、あとからお姉ちゃんが教えてくれたのだった。
どうやらお姉ちゃんが取った不自然な言動は、去年自分達がファーストライブを終えた直後に絵里さんから受けた言動だったらしい。それを真似して私達へ言ったんだって。でも、それは――
お姉ちゃんが絵里さんの取った言動も含めて、自分達のファーストライブだと思っているからなのだと言う。
ただ普通に、花陽さん達に見てもらって拍手を送られたこと。そして、ライブの充実感と満足感だけでは、今の自分達までには成長することはなかったんじゃないか?
お姉ちゃんはそう感じているらしい。
否定的な意見を突きつけられたから『自分達の本当の気持ち』に向き合えた。
壁にぶつかったから『何があっても進み続ける』決意を持てたのだと話してくれた。
私はその話を聞いて、自分がライブ中に感じていたことを思い出して、納得していたのだった。
確かに、そうなのかも。
もしも、
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