正々堂々
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・・ほっぺでいい?」
「仕方ないなぁ」
せめてもの妥協案としてほっぺにチューを提案するシリルとうなずくソフィア。それを聞いた途端リオンの体が大きく大きく震え上がったのが誰の目から見ても明らかだった。
「ダメ!!それはダメだって!!」
しかし、リオンが音を立てるよりも早くウェンディがシリルに飛び付いて動きを封じる。ソフィア的には勝てばいいと思っているところがあったが、ウェンディ的にはシリルとレオンがイチャつくのが見てられなくなってきたようで、シリルを押さえつけていた。
「リオン!!レオンだけに集中しろ!!」
「そうだ!!周りを気にしなきゃいけんだろ!!」
ジュビアの真似をしているシリルに目を奪われ過ぎているリオンにユウカたちが渇を入れると、彼はもう一度集中を高めてレオンへと意識を向ける。だが、その行為を待っていた人物がいたことに誰も気付いていなかった。
(なんだ?)
リオンがレオンを見た瞬間、彼が顔を両手で覆い隠す。その行為は敵から目を切っているためロスタイムに換算される。
「レオン?」
わずか2秒程度だったが、顔を隠した少年。しかし、その手を退けた途端、ひょっとこのような変顔をした少年が姿を現した。
「く・・・くくく・・・ハハハハハッ!!」
完全に不意を突かれた青年は堪えようとしたが、我慢することができずに大声で笑ってしまう。その瞬間、規定の30dbを越えてしまった。
その後レオンが目を離したロスタイムを待つ時間に入ったが、たかだか数秒などあっさりと過ぎ去っていき・・・
『ゲーム終了!!勝者!!小さき魔術師!!』
勝利のアナウンスが場内に響き渡った。
「誰が何をしようと関係ない」
予想だにしなかった結末に目を点にしている少年たちと敵のサブたち。見事勝利を納めた少年は椅子からゆっくりと立ち上がると、目の前のいとこを見下ろす。
「俺は正々堂々にらめっこで勝つ。それだけだ」
最強の魔導士としての貫禄を見せつけた氷の神。決勝戦の全ては最終戦へと託された。
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