正々堂々
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レオンを狙ってトビーとユウカがネタを繰り出していたのだが、意識が戻りつつある彼も耐え凌ぎ現在に至っている。
「ほら!!早く早く!!」
「諦めて出てきなよ」
「頑張って!!」
扉が上がったのと同時にササッと出てきた少女たちだが、一人の人物がなかなか姿を見せない。
「や・・・ヤダ!!これは本当にムリだって!!」
腕を引っ張られながらも抵抗を続けているのが観客席からでもわかる。しかし、シリルは数の暴力で無理矢理引きずり出される。そしてその格好は、全ての人々を熱狂の渦に巻き込んだ。
「リオン立つな!!」
眉の濃い青年がシリルを見たと同時にプレイヤーの青年に待ったをかける。もしその声がなければ間違いなくリオンは立ち上がっていたことだろう。
なぜならシリルが、ジュビアのような髪形で、ミニスカメイド服で出てきたのだから。
「あ・・・あう・・・」
短いスカートを懸命に伸ばして中が見えないようにと抵抗するシリル。その姿がなんとも色っぽく、マーガレットの男たちは声をあげて喜んでいた。
「ほら、言われた通りにやって」
「む・・・ムリだよ・・・」
今にも泣き出しそうな表情のメイド。だが、ここまで来てしまっては逃れる術がない。ソフィア、シェリア、ウェンディの三人から圧力をかけられた彼は、潔く諦めるとレオンの真後ろに回り込み・・・
ギュッ
少年を強く抱き締めた。
「っ!?」
その刹那、青年の顔に力が入り、口元から血が流れてきた。最愛の女性が自分以外の男に抱き付いた悔しさで、彼は激しく怒りを覚え、体を震わせている。
「シリル!!もうちょっと頑張って!!」
ギリギリ聞こえるくらいの声で偽ジュビアに指示を出すソフィア。それを受けたシリルはさらに顔を赤くして少年に体を密着させていく。
その正面に座るリオンは今にも発狂しそうな表情になっている。それだけ彼女たちの考えた作戦が聞いているのだ。
「リオン!!正気を保て!!あれはシリルだ!!」
「オオーン!!」
青年の後ろではユウカとトビーが懸命に落ち着けようと声をかける。だが、偽ジュビアはその行為を無とするようにリオンが動揺しそうな行為を次々に繰り出してくる。
「・・・」
「ウェンディ、我慢して」
ただ、この作戦には欠陥がある。シリルがレオンにベタベタするのを見ているウェンディもリオンとともに発狂しそうなのだ。彼女の気持ちがよくわかるシェリアは、なんとかしようと声をかけていた。
「もうチューしちゃえ!!チュー!!」
後ろの二人とは対称的に楽しそうな笑みを浮かべるソフィアはさらに過激な要求をしてくる。それを聞いた瞬間シリルがさらに泣きそうになったが、無言の圧力をかけるソフィアを見て目線を下げる。
「ほ・
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