Track 3 STOMP:DASH!!
活動報告14 きらきら・せんせーしょん! 1 『ファーストライブ』
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かじゃ心を埋め尽くす悲しみは抑え切れない。
再び溢れかえってきた悲しみに、心を押し潰されて泣き出しそうになるのを必死で堪えていた。
私の表情に引きづられるように、2人の表情も泣きそうになっている。
でも無理だ。今の私には、涙を抑え切ることなんてできない。2人の涙も抑え切ることができない。
泣かないように必死に堪えてきたけど、私はもう限界を迎えていた。
理解をしていたこと。覚悟もしていたこと。
お姉ちゃん達も通った――私の望んだ道。
だけど実際に直面した今。たぶん私達は笑顔でステージを下りることはできないのだろう。
私達のファーストライブは、涙で幕を閉じるのだと確信していた。
冷たい空気に包まれながら、私が抑え切れない感情に素直になることを決意して、心を解放しようとした瞬間――
「――ご、ごめんなさい! 先生方との話が長くなってしまって! ……あら、も、もしかしてライブは終わってしまったの?」
息を切らせながら、講堂へと駆け込む1人の女性の姿が、私の視界に映るのだった。
♪♪♪
そんな風に焦りながら周りをキョロキョロしている女性に向かって、対照的にゆっくりと後ろを付いて来た女性が――
「いや、そうではないんやない? えりち……ほら? ソコの椅子の陰に、にこっち隠れとるし?」
「――って、ちょっと希! 何、勝手に暴露してんのよ? と言うか、何で知ってんのよ!」
「いやいや、椅子に隠れたって……後ろからは丸見えやから」
「うぐぐ……あんた、カードのお告げよりも空気読みなさいよね?」
「空気読んだから暴露したんやけどなぁ」
そんな言葉を繋いでいた。更に私達は全然気づかなかった、椅子に隠れていた女性と会話をしていたのだった。
――まぁ、絵里さんと希さんとにこ先輩なんだけどね?
そう、卒業生が私達のライブの為に集まってくれたのだった。
歓迎会と同じで、私達――まぁ、絵里さんは亜里沙の為かも知れないけどね。
わざわざ集まってくれたことが、私には凄く嬉しかった。
そして、卒業生が集まってくれただけでも嬉しいのに――
「……えっと、まだ開演していないのよね?」
「たぶん、そうだと思うが?」
「何とか間に合ったみたいねぇ?」
絵里さん達の後ろから、綺羅 ツバサさん、統堂 英玲奈さん、優木 あんじゅさん―― A-RISE の3人が講堂に入ってきたのだった。
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