Track 3 STOMP:DASH!!
活動報告14 きらきら・せんせーしょん! 1 『ファーストライブ』
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な私達の耳に緞帳が開き始める音が聞こえる。
緞帳の開く音が目の前から遠ざかったと感じた私は、ゆっくりと瞳を開いて目の前の客席を見据える。だけど――
「…………」
私の視線には、さっきと変わらない殺風景な講堂が映し出されていたのだった。
♪♪♪
それは理解していたこと。あえて選んだ道だから。
当然、覚悟はあったと思う。
でも、それは自分達の教室に入るまでの話。もちろん今でも理解しているし、覚悟もあるにはあるけれど?
教室に入るまでの私なら、悲しい気持ちになったとしても「まぁ、仕方ないよね?」って割り切ったのかも知れない。
だって、3人だけで頑張ってきたと思っていたから。3人で決めたことなのだから。
わかっていたことなんだって、諦めもついていたのだろう。
だけど今は違うんだよ? 私達の心には、みんなの想いが詰まっているんだから。
ミキ達の想い。クラスメート達の想い。お姉ちゃん達の想い。
そして、私達が気づいていないだけかも知れない、みんなの想い。
そんな想いを、私達だけの勝手な諦めで片付けて良いものなんかじゃないんだと思うから。
ふいに講堂の最後尾。入り口付近の通路に集まるカオリとメグミの姿が目に入る。
2人は顔を見合わせて、とても悲しそうに首を横に振っていた。それは――
今の講堂の中の状況が『私達のライブの現実』だと言うことなのだろう。
そう受け取った私の脳裏に何故か、これまでの練習やチラシ配りの光景が思い浮かんできていたのだった。
今日の為に頑張ってきたこと。みんなから受け取った想い。そして、お姉ちゃん達から託された想い。
それが、私の我がままで何も返せない。何も繋いでいけない。
みんなに申し訳ない。もう、応援なんてしてもらう資格がないんじゃないか?
たぶん、素直にお姉ちゃん達と一緒にライブをしていれば、少なくともみんなに何かを返せたんじゃないのかな?
少なくとも、次へと繋ぐことが出来たんじゃないのかな?
そんなことを考えていたら、私の心に生まれていた綻びが一気に大きくなって、心の中を埋め尽くしていくのだった。
「……雪穂」
「……雪穂」
目の前の現状と、私の表情が曇ったことで不安になったのだろう。亜里沙と涼風が、私と同じ表情で声をかけてくる。
ダメだね? 2人が賛同してくれたとは言え、言いだしっぺは私なんだ。
私が自分達だけでライブがしたいって言ったんだ。なのに、私が真っ先に悲しんでいたらダメじゃん?
だから私は今の心に蓋をして、精一杯の強がりで――
「――そりゃそうだ! 世の中そんなに甘くない!」
そう言い放つ。そう、これが今の私の精一杯の強がり。
だけど、やっぱり強がりなん
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