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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十二話 稲妻が走ります。
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いけない。フィオーナお姉様の手がきゅっと私の手を強く握りしめてきた。その手を握り返しながら、
「なんと言われようと、私はお父様に死んでほしくはありません!!賊軍になってほしくはありません!!お母様、お兄様方が流刑、死刑にされるところを見たくはありません!!」
私は生まれて初めて大声で話していた。これもきっと女性士官学校で訓練を受けたからだわ。皮肉なことだけれど、お父様がさげすんでいた場所での教育を受けたから、こうしてお父様としっかりお話ができるのね・・・。
「お父様お願いです!!どうか考え直してください!!」
一瞬お父様の顔が酢をのんだように固まったのが見えました。信じられないと言った顔のほかに、他の色もにじみ出てきたわ。そう、徐々に憎悪が見えてきたの。
「ええい、煩いわ!!癇に障ることばかり言いおって!!お前もやはりあやつの子供か!!!親の血を引いていないとこうも儂を辱めるかッ!!!!」
部屋が急に寒くなってきて、体が震えだして、体中がじいんと嫌な痺れで動かなくて・・・。ただ、周りの声だけははっきりと聞こえていたわ。そして、お父様は私にとって忘れられない一言をおっしゃった。それだけが私の感じることのできた事実・・・・。
「あなた!!サビーネに向かって何ということを――!!!」
「黙れッ!!もとはと言えばお前のせいではないか!!お前が儂の兄と密通などしなければ、このようなことにならずに済んだのだ!!!」
ゲオルク叔父様が!?私の脳裏に浮かんだのは、金髪の口ひげをはやした優しそうな叔父様のお顔。もう亡くなられてしまったけれど、いつもいつも、あまり体が丈夫ではないお母様に寄り添って、そして私にもとても優しくしてくれた叔父様。
あ、あの叔父様が私のお父様だったなんて・・・!!!
「リッテンハイム侯!!」
突然ドアがバ〜ン!!と開け放たれ、貴族の方が一人飛び込んできた。軍服を着た人たちも一緒だったのはわかるけれど、顔がぼんやりとしていて誰だかわからない。
「何か?!今取り込み中だ!!」
「それどころではありませんぞ!!、ブ、ブラウンシュヴァイク公が兵を召集し、貴族に働きかけ、自身は宮廷に赴いたということです!!」
「な、何!?ええい!!何故早く報告せん!?こちらも急ぐぞ!!宮廷に赴くのだ!!兵を集めよ!!有志と連絡を取って非常時に備えるのだッ!!」
急に周りがワンワンとうるさくなって、何を言っているか全然聴き取れなくて、私は周りに出現した渦に巻き込まれてグルグルと回転し始めた。
暗闇に向かって・・・・。
* * * * *
それからしばらくして――。
エリーセル家 フィオーナの私室にて――。
■ フィオーナ・フォン・エリーセル中将
可哀想なサビーネ。まさかあんなことになるなんて・・・・。
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