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第六十二話 稲妻が走ります。
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に直結するということはなく、最後は重臣たちの意向に沿うような形にしてしまう。幕末の長州藩の毛利敬親は改革派、保守派双方に対しても「そうせい。」と言質を与えていたことから「そうせい公」などと呼ばれていたが、フリードリヒ4世もまさに「そうせい公」ではなかったか。
もっともリヒテンラーデ侯爵は、そのような太古の一小国のそのまた一藩の一君主のことなど知るよしもなく、ただ急ぎ足で閣僚を呼び集めるために、廊下を歩き続けていた。
(自由惑星同盟への使節が一応成功に終わったというに、またつまらぬことで火種を持ち込む輩が後を絶たぬ・・・!!銀河帝国はこの先どうなってしまうのであろうか・・・・。)
彼は我知らず湧き上がってくる不安を感じて、足を止めた。今のフリードリヒ4世が死去すれば後継者問題は火種どころではなく、一気に火災となって周囲を焼き尽くすであろう。そうなってしまえば、誰にも鎮火することはできない。当事者でさえもである。憎悪と滅亡の火は帝国国土を焼き尽くし、人や田畑を飲み込み、暴れるだけ暴れ、最後には「虚無」を帝国にもたらすのだろう。
 リヒテンラーデ侯爵は戦慄した。そうなってしまう事だけは絶対に避けなくてはならない。

たとえどんな手を使おうとも、である。


* * * * *
 リヒテンラーデ侯爵が黒真珠の間に通じる廊下を再び急ぎ足で歩き始めた頃、ブラウンシュヴァイク公の邸では公に味方する有力貴族、軍の有力者等が集まって、協議をしていた。
「リッテンハイム侯の専断ぶりには目に余るものがありますぞ!きちんとした遺言書があるにもかかわらず、それを無効だと言い募るとは!」
「先代の侯爵閣下の御直筆があるというのに!」
「それを無視するとは、どこまで顔の皮が分厚い御仁なのか!」
「全く信じられませんなぁ。」
このような会話がそこかしこでアルコール交じりに盛大に繰り広げられていたが、当のブラウンシュヴァイク公は息子のフランツとエリザベートに相手をさせていただけで、自身は甥のフレーゲルと少数の家臣たちと共に防音処理を施した別室に引っこんでなにやらひそひそと話し込んでいた。
「だからお前は先見性がないというのだ!!」
ブラウンシュヴァイク公がフレーゲル男爵に怒鳴りつけている。
「今リッテンハイムとたもとを分かつにあたって、少しでも多くの有力者を味方にしておかなくてはならんという時期に、あの『金髪の孺子』や『プラチナブロンドの小娘』がリッテンハイムめの味方に回ったらなんとするか!?」
「そうはいいますが、叔父上、あのような者が我が陣営に味方することなどあり得ませんし、あったとしてもそれは我が陣営にとっては屈辱の極みでしょう。我が陣営に属している者で、あの孺子や小娘を嫌っている者が少なくありません。そのような者が離反いたしましたら、なんとなさい
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