第三十六話 お墓地その五
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「阪神ファンでね」
「僕は阪神ファンじゃないですけれどね」
「そこは違うけれどね」
それでもです。
「巨人嫌いなのはね」
「ああして球界の盟主とか自称してやりたい放題してるのは」
「最悪っていうのね」
「そう思いますから、巨人中心主義もです」
こうした考えは何故かあります、何で巨人が球界の中心なのか訳がわかりません。というか巨人ばかりマスコミで持て囃されることも何だかです。
「嫌いです」
「とにかく嫌いなのね」
「はい、ずっと最下位になって欲しいですね」
「巨人の最下位ね」
「一億年位」
「そんなに人類続くかしら」
そもそもです。
「幾ら何でもないでしょ」
「まあそう言われますと」
「わからないでしょ」
「恐竜は続きましたけれど」
「恐竜は恐竜でしょ」
一億年になるともうどうなるかわかりません、というかそれだけ歳月が経つと地球の大陸の形も変わってると思います。
「人間はわからないわよ」
「けれど巨人は、ですよ」
「一億年連続最下位ね」
「それを希望します」
「そこまで嫌いなのね」
「別所、広岡、長嶋、柴田、工藤、小久保、杉内、ホールトンって掠め取られてますから」
「ああ、選手ね」
言われてみれば多いです。
「巨人最近までお金にものあかせて選手集めてたからね」
「最近しないですね」
「どうしてかしらね」
お金がなくなったのでしょうか。
「あんなに強引にやってたのに」
「ホークス南海時代からやられてましたから」
それこそ一リーグの時からみたいです。
「僕嫌いなんですよ」
「それも大嫌いなのね」
「そうなんですよ、とにかく巨人は嫌いです」
「まあ嫌いなのは私も同じだけれど」
「あまり悪口は言わない方がいいですね」
「そう、おみちとしてもね」
このことは私もよく周りから言われます。
「嫌いだったら観ないといいし」
「そうですね、僕嫌いな人間とは話さないですし」
「最初から?」
「はい、全く」
「関わらないってことね」
「そうしてます」
「態度に思い出てそうね、阿波野君」
何かそんな気がしました、阿波野君を見ていて。
「顔にも」
「よく言われます」
「気をつけてね、あまり人を嫌うとね」
「自分もですか」
「よく思われないから」
そうした態度がどうかと思われると言われたことがあります。
「変なことしたら全部自分に返ってくるのよ」
「ですよね、やっぱり」
「だから気をつけてね」
阿波野君にくれぐれもと言いました。
「そのことは」
「気をつけないといけないですか」
「そう、人を嫌わないことが一番だけれど」
そもそもです、ただそのことはです。
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