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幽雅に舞え!
幽雅に咲かせ、墨染の薔薇
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人に乞い願う。勿論彼に聞こえるはずもないし、直接彼が何かしてくれるわけでもない。
 
 借りるのは、彼の技を組み合わせるセンス。今まで見てきた彼だけの才能を、出来るだけ真似た一撃を放つ!
 
「パンプジン、花びらの舞い!サマヨール、シャドーボール!そしてキュウコン、クチート、火炎放射!」
 
 パンプジンの花びらが舞い、漆黒の球体がそれを黒く、火炎が赤く染め上げてまるで無数の黒薔薇の花弁と化け、ルファとネビリムに襲いかかる。
 
「墨染の薔薇ブラックローズ・フレア」
 
 無数の黒薔薇に対し、それをサイコキネシスで弾き飛ばそうとするネビリムをルファが片手で制す。
 
「やらせませんよ!サーナイト、防いで・・・」
「いいや、ここは俺に任せろ」
「・・・出来るんですか?」
「オニゴーリの氷を舐めんなよ?」
「・・・わかりました」
 
 そう言って、ネビリムはサーナイトを下がらせる。ルファはネビリムの知る限り一番いい笑顔で頷いた。オニゴーリに指示をだす。
 
「オニゴーリ、わかってんな?」
「ゴッー!!」
 
 放たれた氷は。
 
 ルビーの総力を込めた攻撃より遥かに弱く。
 
 激しい炎の花弁が、二人を包み込んだーー。




「・・・生きてるかい?」
「おかげさまでなんとか、な」
 
 仰向けに倒れたルファに、ルビーはそう話しかける。ルファはゆっくりと体を起こし、伸びているネビリムの方にも命に別状は無さそうなのを確認するとルビーの方を見た。

「いやー空気読んで技ぶちこんでくれて助かったぜ。・・・これでこんなやつらの真似事ともおさらばだな」
「・・・その辺の事情は後で彼が聞くよ。それより今は」
 
 キュウコンはさっきの炎でもう技を放つ力が尽きた。今にもフワライド達が町に浸入しようとしている、それを止めなければいけない。
 
「ああそうだな。さくっと片付けますか・・・」
 
 ルファがそう言った時だった。町のなかから一台の自転車が階段をかけ上がって飛び出してくる。ルビーが不快そうに眉を潜め、ルファが苦い顔をした。
 
「てんめえええルファ!こんなところにいやがったのか!あの時の借り、きっちり返してやるぜ!」

 ・・・エメラルドの登場により、どうやら事態はまだややこしくなりそうだった。ルファが寝返ったことを伝えようにもルビーもまだ詳しい話を聞いていないし、そもそも聞く耳を持つとも思えない。
 
(・・・サファイア君、早く戻ってきてくれないかな)
 
 ある意味自分にはどうしようもない事態に溜め息をつきつつ、ルビーはそう思うのだった。


 

「ティヴィ
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