幽雅に咲かせ、墨染の薔薇
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、『朧』重力」
サマヨールが手のひらを合わせて離すと、そこには漆黒の球体が発生した。それはゆっくり前に飛んでいくと、凍える風とハイパーボイスを綺麗に吸い込んでしまう。上から押し潰すのではなく、ブラックホールのように全てを吸い込むもうひとつの重力の使い方だ。それを使い分ける意味でルビーは朧、と呼び分けている。
(別にサファイア君に影響された訳じゃない・・・と、思うんだけどね)
ちょっぴり中二病な彼を思いだし、嘆息。その間にもクチートが動いている。技を吸い込まれて驚いているサーナイトに噛み砕くを決めるために。
「しまった、サーナイト!ミミロップ、フォローしてください!」
接近戦には弱いサーナイトの代わりに、控えていたミミロップが間一髪で蹴り飛ばして防ぐ。ルファもそれに乗じてクチートに攻撃を仕掛けてきた。
「オニゴーリ、噛み砕け!」
「パンプジン、ハロウィン。クチート、噛み砕く」
動じずルビーはパンプジンに命じると、ハロウィンの効果でオニゴーリの体はまるで氷で出来たジャック・オー・ランタンのようになり、ゴーストタイプが付加された。悪タイプの噛み砕くの一撃が効果抜群となり、オニゴーリの体の表面に罅が入る。
「っと・・・やってくれんな」
「・・・」
ルビーはルファを睨む。どうにもこの男、まだまったく本気を出していないような気がしてならないのだ。そうでなければ自分はもっと苦戦を強いられたはずだ。メガシンカを使ってこそいるが、そんなものはただの『力』でしかないと彼の目は語っている。
ルファもそんなルビーの目に気づいたのだろう。彼はネビリムには見えないようにーーそっと、唇に人差し指を当て、口角をつり上げる。
(・・・獅子身中の虫、ということかな?)
ともかく、彼が本気で来ないのは幸いだった。目線をネビリムに切り替える。
「サーナイト、ハイパーボイスです!」
「ーーーー!」
サーナイトが再び強烈な音波を放ち、クチートの体が吹き飛ばされる。だが鋼・フェアリーのクチートにはフェアリータイプの技はあまり通用しない。平然と起き上がり、体勢を立て直す。
「く・・・まだ倒せませんか。ですがもう貴女のキュウコンは限界でしょう!その時がこの町の最後です!」
「・・・」
そう、二人の攻撃は今の分ならいなせるだろう。だが、問題はキュウコンの方だった。今も少しずつ、彼女の吐く炎は弱くなっている。守るだけでは限界があるが、ルビーは攻めるのは得意ではない。
(・・・それでも、やるしかないんだ。
サファイア君、少し力を貸してくれるかい?)
自分の想い
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