幽雅に咲かせ、墨染の薔薇
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車が動き始めているではないか。ここで逃がせば追う手段はなくなってしまう。全速力で追いかけるサファイア。
だが、動き始めとはいえ相手は電車だ。サファイアの足ではぎりぎり追い付けず、伸ばした手から電車が離れていくがーー
「ジュペッタ、影打ち!」
「ーーーー」
ジュペッタの影が再び伸びる。それは電車の影と繋がった。サファイアがジュペッタの体をガッチリと掴む。
「影よ、戻れ!」
伸ばした影が戻る。ただしジュペッタの方ではなく電車の方に。結果としてジュペッタとそれにしがみついているサファイアの体が引っ張られ、電車へとへばりつくことが出来た。影打ちのちょっとした応用だ。
「ふう・・・今度はシャドークローだ!」
漆黒の爪が電車のドアを切り裂く。電車の速度に振り落とされる前に、サファイア達は電車の中に転がり込んだ。
「よし・・・いくぞ!」
フワライドを操る装置はここにあるのだろう。もうすぐこの騒動を止めてみせる。
(だからルビー、もう少し持ちこたえてくれよ・・・!)
「ミミロップ、飛び膝蹴り!」
「グラエナ、毒々の牙!」
「サマヨール、重力」
一方その頃、ルビーは未だにキンセツシティの入り口を守り続けていた。今も襲い来る二匹の攻撃を、強烈な重力場を発生させて接近を許さない。ネビリムのミミロップには火傷を負わせてもいる。
「・・・さすがはチャンピオンの妹様ってところか。隙がねえな」
「感心してる場合ですか!ああもう、忌々しい子ですね・・・」
ルビーの敷いた布陣は強力だ。前をメガシンカしたクチートが守り、後方をパンプジンとサマヨールが固め。最後尾でキュウコンが炎の渦で入り口を防いでいる。その徹底した守りが、ルファとネビリムを寄せ付けない。
「こうなったら・・・ルファ、貴方もメガシンカです!私も本気でやりますよ、出てきなさいサーナイト!」
「へいへい・・・出てこいオニゴーリ」
ルファの剣の柄と、ネビリムの髪飾りが光輝いた。同時にオニゴーリとサーナイトの体が光に包まれる。
「絶氷の凍牙よ、全てを震撼させろ!」
「更なるシンカを遂げなさい!その美しさは花嫁が嫉妬し、その可愛さは私と並ぶ!」
「メガオニゴーリ、凍える風だ!」
「メガサーナイト、ハイパーボイス!」
メガシンカした二匹の攻撃は、最早吹雪と破壊の音波と言って差し支えなかった。まともにぶつかり合えば歯が立たないだろうことがはっきりわかる。だがーールビーは単純に力負けしたからといって太刀打ち出来なくなるそこらのトレーナーとは違う。
「サマヨール
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