376部分:第五十一話 黒い炎その六
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第五十一話 黒い炎その六
「それで何かを仕掛けてこない筈がない」
「そうだ、あの時のことは忘れてねえぞ!」
「よくもはめようとしてくれたな!」
ここで青銅の者達がレダに対して叫んだ。
「今度何かをしてくれてもな!」
「俺達には通じねえからな!」
「もう幻術なんてな!」
「意味がねえからな!」
「安心しろ」
しかしレダはその笑みを悠然としたものに変えて返すのだった。
「このベリアルのレダ、同じ謀は同じ相手には使わぬ」
「!?というと」
「一体何を」
バベルとオルフェは今のレダの言葉にすぐに身構えた。
「仕掛けてくるというのだ」
「ここでは」
「見るのだ」
その悠然とした笑みのまま再び言ってきた。
「このベリアルのレダの新たな罠をな」
「!?何だこりゃ」
「雪か?」
ここで不意に上から何か降ってきた。それは。
「雪!?」
「いや、違うぞこれは」
すぐにわかった。何故ならその雪は。白ではなく漆黒だったからだ。間違いなくそれは雪などではなかった。
「黒い雪だと!?」
「違う、雪じゃない!」
聖闘士達は柔らかに舞い降りてくるその漆黒のものを見て一斉に身構えた。
「これは一体・・・・・・」
「つうっ!!」
その漆黒の何かが触れるとだった。焼け付くような痛みが走った。
「これは・・・・・・」
「雪じゃねえ」
「何だこりゃ」
「炎か」
カミュはその黒い何かを横目で見たうえで述べるのだった。
「これは」
「炎って」
「まさか。黒いですよ
「そんな炎って」
「いや、ある」
だがここでカミュはまた言った。それはあるのだと。
「これこそが魔神の真の炎だ」
「魔神の炎」
「これがですか」
「ほう、わかったのだな」
レダがカミュのその言葉に微笑んで返してみせてきた。
「私のこの黒きものが何かを」
「ベリアルは炎の魔神」
カミュはそのレダを見つつ述べた。目は強い光を放っている。
「ならば。使うのもそれしかあるまい」
「確かに。ベリアルといえば」
「その姿は炎に包まれた戦車に乗る堕天使」
ここでまたバベルとオルフェが言った。
「それを考えればこの漆黒のものが炎であるのも」
「当然ですね」
「その通りだな、ベリアルよ」
「隠すつもりは最初からない」
レダの不遜な笑みは相変わらずだった。
「その通りだ。これこそが私の炎だ」
「黒い炎を出しやがるとは」
「何でこんなことができるんだ?」
青銅の者達はその黒い炎を実際にその目で見ても信じられなかった。何故なら炎というものは赤や青、そして白いものと思っていたからだ。これは常識からである。
「今アクエリアスが言った筈だ」
「何っ、じゃああれかよ」
「これが魔神の炎だっていうのかよ」
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