第53話 人形
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パジャマの姿でベッドに横になっていた。
白井は、シャワーを浴びに行っており、部屋の中は御坂が一人でぽつんといる。
「色々あったみたいだけど......サソリ達が無事で良かったわ」
まあ、脱走した事やケガ人多数で、黒子やあの看護師の鬼軍曹にこってり絞られたらしいわね
「でもやっぱり、サソリがやっていないってことが分かって良かった」
あの後で読心能力者を呼んで、盗撮犯とサソリは無関係であることが証明されたのだ。
すると部屋をノックする音が聴こえてきた。
時刻は午後八時半を指している。
「こんな時間に誰かしら?」
恐る恐る御坂は鍵を外してドアを開けると眼鏡を掛けた寮監が丁寧にラッピングされた箱を持っていた。
割と大きい箱だ。
「夜分にすまないな。君宛ての小包だ」
「あ、どうも」
「では」
一瞬、ドキリとしたがラッピングされた箱を寮監から受け取った。
「?」
妙に重い。
誕生日プレゼントにしては時期的におかしい。
包まれた箱を御坂に渡すと、寮監は足早に去って行った。
耳まで裂けた口で笑いながら......
部屋に戻りながら、箱の中身が気になるようで何回か振ってみた。
中でゴロゴロと音がする。
ただ宛先が御坂美琴とだけ書いてあるだけで、誰からかも分からない。
「差し出し人も分からないわね......!!?」
箱の下に伸ばしていた手に流体の感覚が走り、自分の手を見るとドス黒い血がべったりと塗りたくられていた。
「......えっ?え!?」
御坂は、そこで初めて箱の中身がおかしいことに気付いた。
背中に気持ち悪い汗が流れ下着を肌に密着させる。
本能的に中身がヤバイと大号令を掛けているが、床に真っ赤でドロッとした粘性の液体がポタポタと斑紋を生み出して、絨毯を染めている。
御坂は、自分の反射的に離れたい欲求と格闘しながらも、落としそうになる手を必死に抑えながら、箱の口に手を掛けた。
口に引っかけて開ける。
決して開けてはならない箱を......
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああー!!?」
限界点を超えた御坂の身体は、もはやなりふり構わずに箱を投げ捨てて、勢いで滑り落ちた箱の中から御坂美琴そっくりの首がゴトリと音を立てて転がった。
「何で......あたしの首が」
正気を亡くした眼でミサカは口から血を滴らせながら御坂を見ていた。
「ど、どうかしましたの?!」
シャワーを浴びていた白井がタオルを巻いただけの簡単な装備で御坂の悲鳴を聴いて、慌て部屋に雪崩れ込んだ。
「く、首が......あ、あたしの」
「首......ですの?」
もはや、まと
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