第53話 人形
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....もう片方もな」
暁時代に居なかった、サソリの傀儡使いの弟子が生まれ、師として何が残せるかを少しだけ考えた。
この関係が数日後に崩壊することを知らずに......
******
爆破事故から数日後
ゼツは融合した状態で夜の闇に乗じて進んでいた。
奥に行くに従って夥しい数の人形(ミサカ)の死体を横目で確認しながら、虫けら以下を見るかのような目で見ていた。
チャカチャカと点滅する街灯の光の先から腕から出血をした御坂のクローン体が逃げるように走ってきた。
ゼツの身体に当たり、跳ね返されて謎の追跡者の足元に転がった。
「はあはあ......」
ビリビリと電撃を流すが追跡者に跳ね返されて、体力の限界からか出血を抑えながら呼吸するのが精一杯だった。
奥からやって来たのは、白い髪に赤い眼をした華奢な身体をした少年だった。
「あぁ?誰だテメェ?」
前に立っている不審者を不快そうにしながらポケットに手を突っ込んで睨み付けた。
「僕は、君の『協力者』だよ。気分はどうかな?第一位」
学園都市第一位 一方通行(アクセラレータ)
御坂美琴が第三位、サソリと交戦した麦野沈利が第四位となっており、実質的に学園都市で最強の能力を持っている少年だ。
能力:一方通行(アクセラレータ)
運動量・熱量・光・電気量etcといったあらゆるベクトル(向き)を観測し、触れただけで変換する能力。
「弱くて嫌になるな」
足元に転がってもがいているミサカの傷口に手を突っ込むと残酷なベクトル変換を行った。
血を流れを逆流させ、弱く弾力性が低い静脈に流れるはずの血液がポンプで押し出された動脈の血液が流れだし、血管が耐えきれずに破裂し身体中のありとあらゆる所から出血し、心臓が破裂し絶命した。
「これをあと数万回か......怠ィ作業だな」
ミサカの首を足蹴りしながら、アクセラレータは『協力者』と名乗る人物を見上げた。
「とっておきの方法があるよ」
ゼツは眼からも耳からも出血しているミサカの遺体から頭部だけを切り離して、髪を掴んだ。
傷口からボコボコと逆流の余波からか真っ暗の血が溢れ出しているが気にせずに持ち上げた。
「んあ?」
「妹達は所詮『レールガン』の劣化版だよね......だったら、本物を叩けば短縮出来るんじゃないかな」
「そりゃあ、願ってもなェことだな。どうやって?」
『協力者』からの思わぬ提案にアクセラレータは、鋭い笑みを浮かべた。
「簡単だよ。レールガンは感情に走り易いからね」
切り離したミサカの頭部の髪を掴んだまま、ゼツは踵を返して離れて行った。
「何処に行くつもりだァ!?」
「ちょっとした贈り物をね。来るべき時が来たら教えるよ」
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常盤台の寮で御坂は
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