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天才少女の月旅行
狂戦士の咆哮
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ベルン家は昔ホムンクルスを作る技術 錬金術に長けていたというが今のアインツベルン家にホムンクルスを作るような力はない

今のアインツベルン家の作るお人形は人工知能に魂を持たせたと聞くがあまり効率が良い方ではないらしい
そもそもアインツベルン家の悲願は皮肉なことに魔術の衰退と共に達成された

今のアインツベルン家はただ存在を維持するだけのテロリストだったはずだが……


「あなたが次の私の遊び相手なのね!」

少女に声をかけられる、可愛らしく天真爛漫といった感じだがこの場所には不釣り合いだ
それに遊び相手とは何だろう?
ともあれこの少女が私の対戦相手 イリヤスフィールなのだろう

「この前の人は決戦日まで持たなかったけどあなたなら大丈夫そうね〜アリーナが開いたら一緒に遊ぼうね!」

対戦相手の少女イリヤスフィールは去ってしまった
臙条もそうだったがこっちも随分緊張感のない子供だ

「確かアインツベルンのお人形は肉体を持たず無尽蔵の魔力を扱える……だったかな」

無尽蔵の魔力を引き換えに魂を消耗していき最後は消える仕組み
仮にイリヤスフィールが聖杯戦争に優勝したところで本人は何も得ることはなく消える
彼女は聖杯戦争の……殺し合いの間だけ生きることができるというわけだ
本人もそれを理解していて
だから『遊ぶ』と言っていたのか
まぁ、今はそれよりも

「あー、臙条さん?いつまでも固まってないでそろそろ現実に戻ってきてくれます?」

全ての対戦相手の発表が終わっても立ち尽くす臙条を何とか現実逃避から戻す

「遠坂時臣が相手……佐々野さん…俺はどうしたら」

「別にまだあわてるような時期じゃないんじゃないですかね?戦うのはサーヴァントですよ?」

そもそも勝ち進んで行けばどうせいつかは大物と戦うことになる


もう少し励まそうとしたところで携帯端末が鳴り響く
アリーナが解放されたのか

「とりあえずアリーナへ様子を見に行ってはどうでしょう?その中で勝利のヒントがつかめるかもしれないですよ?」

「えぇ、はい…そうですね!俺はまだ負けてない」

気合を入れなおすかのように拳をグッと握る臙条は先ほどと違い戦う者としての覇気がある
これならあっさりアリーナで死ぬことはないだろう


「お姫様、お気づきかもしれませんがあの臙条というマスター恐らく自分のサーヴァントに何らかの精神操作をされていますよ」

「うーん、やっぱりそうかなぁ」

以前会った時はなんというか何がなんでも自分を通すみたいな感じがしたが今の臙条はなんというか環境に流されているだけのような気がする

「お姫様は気を付けてくださいね」

「いや、バーサーカーも気を付けてよ?あなた対魔力とかないしバーサ
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