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天才少女の月旅行
狂戦士の咆哮
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掲示板へ行こうとする途中校舎に違和感を感じた

「随分と寂しくなったもんだね」

人数が一度に半分になるとここまで静かになるのか
遊びだと思って死んでいったものに追悼しているのか
何はともあれ静かな校舎はどこか廃退的で魅力を感じる

「おや、あれは臙条さん、一回戦は勝ち残ったのか」

廊下の正面から歩いてくる青年 臙条 巴が一回戦目を勝ち進んだのは正直意外だった
よほど宝具が強力なサーヴァントでも引き当てたのだろうか?

「どうも、佐々野さん」

ペコリと頭を下げる臙条の姿からは一回戦を勝ち抜いた存在としての覇気が一切感じられない

「以前言っていた協力ですが」

「ええ、わかっています。こんな状態では協力なんて……」

「1度限り、私の魔術回路の修復を条件にお受けします。」

「本当ですか!」

分かりやすく喜ぶ姿はやはり一回戦を勝ち進んだ者の姿には思えなかった
そこが気がかりだが私には関係がないだろう

「ええ、ですので何を私が協力すればいいのかお早めにお願いします。まぁ、何をするにしても対戦相手を見てからですね」


本当は1度限りではない対戦することになるまでの協力関係になるということも考えていたが
臙条は以前自分のサーヴァントを神代の魔女と話していた
神代の魔女という言葉から想定されるサーヴァント
協力関係になったら間違いなく裏切られるだろう






















掲示板の前には人だかりができている
対戦相手の発表開始時間だからだろう

「私は後の方なので先に臙条さんどうぞ」

臙条の対戦相手が発表の番が回ってきた
掲示板には2つの名前が浮かび上がっている
1つは臙条 
そしてもう1つは


マスター:遠坂時臣


周りの空気が変わる



あぁ、よかった自分じゃなかった

あいつ死んだな

同情の視線が臙条に注がれる


遠坂時臣は臙条を少し眺めて声をかけることすらせず去って行った


「…………ぁ、あ」

遠坂時臣に敵と認識される
それだけで臙条はその場で立ち尽くしてしまう
その様子を見たバーサーカーが耳元でささやく

「酷い顔ですね、処刑される罪人みたいですよ」

「うーん、でもうまくいけば私は自分で戦うことなく強力なマスターを聖杯戦争から取り除けるわけだし…悪くない」



さて、そろそろ私の番が来たな
掲示板にはこう書かれていた



マスター:佐々野理乃
マスター:イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
 決戦場:二の月想海






アインツベルンのお人形が相手になるのか


アインツ
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