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活動日誌EX さにーでい・そんぐ!
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最初に出会ったアノ日(・・・)が私達にとっての閏年(・・)だったんだと思ったんだ」

 もちろん正式な意味ではアノ日の出来事を閏年とは言わない。それは3人も承知の上で話をしている。
 だけど3人は別に閏年を議論していたのではない。ただ、思い出話に花を咲かせていただけ。
 3人の出会いが、その後の出来事が、全てにおいて、彼女達にとって――
 4年に1度しか現れないような、貴重(・・)大切(・・)な思い出達なのだと感じていただけなのだった。

「さてと――」

 話を締めた穂乃果は生徒会長として仕事に取り掛かる。
 そう、穂乃果達にとって同じように、貴重で大切な思い出達を与えてくれた絵里や希やにこ。
 そして全ての卒業生に貴重で大切な思い出を渡せるように、当たり前に存在する卒業式を素敵な思い出にする為のキッカケを考えるのであった。

♪♪♪

 声のしなくなった生徒会室。ただ、定期的に何かを書く音、電卓をはじく音、ファイルをめくる音。
 そんな無機質(むきしつ)な音だけが響いている。
 穂乃果は一瞬だけ手を休めて、真剣に下を向いて作業を進める2人を眺めた。
 恥ずかしくて、さっきは伝えられなかった想い――
 穂乃果にとっては、海未とことりが(そば)にいてくれることが自分にとっての閏年なのだ。
 そんな嬉しさを心に刻んで目を(つむ)り、アノ時のことを思い出していた。
 夕焼けの染まる公園。目の前には大きな水溜り。水溜りの横で心配そうに見つめることりと、奥の木の陰で心配そうに見つめる海未。
 もう止めようと思いながら走っていた時に、ふいに聴こえてきたアノ曲。
 もちろん幼い頃の記憶だからメロディーまでは覚えていない。それでも心が暖かく、軽くなったことだけは鮮明(せんめい)に覚えている。
 そのメロディーに包まれながら、両手を水平に広げて目を閉じ、笑顔を浮かべて踏み切った。
 優しい歌声に誘われるように水溜りを飛び越える彼女。そんな彼女を見守る2人の目の前で彼女は水溜りの先へと着地をするのだった。
 そんな彼女に満面の笑みを浮かべることりと、木の陰から羨望の眼差しを送る海未。そんな幼い頃の2人の表情を脳裏(のうり)に焼き付けながら、目を開けて()の2人を見つめる穂乃果であった。

(……うん、飛べる! まだまだ、飛べるんだ!)

 そんな意気込みを心の中で叫んだ彼女は、再び作業に没頭(ぼっとう)する。
 学院生活はあと1年(・・)残っている。しかし音ノ木坂の生徒としての2月29日は今日(・・)しかない。
 そもそも廃校になっていれば、今日と言う日は来なかったのだろう。
 否、数ヶ月後に入学する雪穂や亜里沙達新入生には(おとず)れないのだ。
 確かに廃校が決まって
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