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Bonus Track 2 Leap Day
活動日誌EX さにーでい・そんぐ!
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いかける者も誰もいないのだった。つまり1人きり(・・・・)の空間に(ひと)しい。
 先に何が待っているのかわからない。飛び越えた所で何も変わらないのかも知れない。
 それでも自分で言い出したこと。彼女は必死で水溜りの(はし)まで()け抜けた。
 そして水溜りの端にたどり着くと――

「とぉーーーーーーーーーーー!」
「――ぁっ!」
「――ぁぅ!」
「……☆△※□!」

 飛行機のように両手を水平に広げ、右足で踏み切って声をあげながら飛び越えようとした。
 そんな彼女を心配そうに見つめる2人の目の前で、彼女はあと少しの所で失速すると、左足が水溜りの中へと水没した。バランスの悪さと水のせいからか、彼女は振り子のように身体を反転して宙に浮くと、そのまま引力に引き寄せられて水溜りへと落下したのである。
 
「つめたぁーい!」
「ほのかちゃぁぁぁん」

 半そでの彼女達でも夕日に染まった今の、更には水の中は大変寒いだろう。そんな穂乃果の悲痛(ひつう)な叫びに声を張り上げて心配することり。さすがにもう帰るだろうと近づこうとする彼女を他所(よそ)に、立ち上がると即座(そくざ)に水溜りを出て、穂乃果は再び助走距離まで歩き出したのだった。

(なんで? もう十分頑張ったよ? なんで、まだやめないの?)
(この子は何で、ココまで頑張れるんだろう?)

 ことりは彼女の頑張りを認め、止めない理由に疑問を覚える。また、海未は彼女の頑張る理由に疑問を覚えながら動向(どうこう)を見守ってる。そんな2人の視線の先、彼女は難しい表情を浮かべながら再び助走位置へとたどり着くと振り返るのだった。

「ぅぅぅぅー。なんで……なんで、なんで、なぁんでぇー!」
「やっぱり無理だよぉ……帰ろう?」

 髪に残る水滴など気にせず、ただひたすら飛べないことを悔しがり地団駄(じだんだ)を踏む彼女。そんな彼女に涙目になりながら帰ることを提案することり。

「大丈夫だよぉ! 次こそできる!」
 
 そんな彼女に宣言した穂乃果は再び足に力を入れて――

「いくよっ!」

 水溜りを(にら)みつけると再び走り出したのだった。
 とは言え、もう意地でしかない。飛べる根拠(こんきょ)など存在しない。
 仮に飛べたからと言って何が見えるのか? ただ、飛べたと言うだけのことだろう。
 もし飛べなかったら、もう止めよう。これ以上頑張っても意味はないだろう。
 最初に走った時の心と体温の上昇も、水溜りに落ちたせいで冷め始めていたのかも知れない。
 そんな気持ちが(あふ)れ始めていた自分の意地にケリをつける為、水溜りを目指して走っていると――

「ラララーラッ ラララーラッ ラララーラララララー」

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