Bonus Track 2 Leap Day
活動日誌EX さにーでい・そんぐ!
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「……大きな水溜り発見!?」
「すごい大きいねぇ?」
小さな少女は夕焼けの映える公園に出来ていた大きな水溜りを見つけて、嬉々とした表情で隣に立つ少女に声をかける。
彼女の名前は高坂 穂乃果。のちに全国のスクールアイドルの頂点に輝き、スクールアイドル達の憧れの的になる9人の女神達。そんな9人の女神の一柱にしてリーダー的存在――
とは言え、まさか自分の身にそんな奇跡が降り注ぐとは思いもしない頃の、あどけなさの残る少女時代のお話である。
隣の少女、南 ことり。そして今はまだ友達未満であるが、木の陰で見つめているだけの存在の園田 海未。穂乃果を含めた3人は、公園に出来た夕日に照らされてキラキラと揺らめく水溜りを眺めていたのだった。
「ね、ねぇ? コレ飛び越えられるかな?」
「えっ! む、無理だよぉ……危ないからやめようよぉ」
単なる水溜りであるから深さこそないのだが、それこそ広さで言えば、学校にありそうな池ほどの大きい面積を誇る水溜り。そう、深さがない故に溺れる心配はないのだ。落ちてもビショビショになる程度で済む。
好奇心旺盛な彼女は水溜りを飛び越えたい衝動にかられた。そんな彼女にやんわりと否定的な言葉をかけることり。
「大丈夫だよー? もぉ、ことりちゃんは心配性だなぁ。なんとかなるって! それじゃあ、見ていてね」
「ほ、穂乃果ちゃぁぁぁん」
そんな彼女の心配など聞く耳持たずに、水溜りから遠ざかる穂乃果。彼女と付き合いが長いことりは彼女の性格を良く知っている。一度言い出したら周りが何を言っても聞かない。だけど――
きっと自分の知らない世界を見せてくれる。そんなことを感じているから、強引にでも止めようとはせずに悲痛の叫びをあげるだけなのであった。
(うん。これくらいからで大丈夫かな?)
ある程度水溜りから助走距離を取った穂乃果は、水溜りを睨んで走り出した。
まだまだ、あどけなさの残る小さな小さな女の子。そんな彼女の身長の倍以上はあるであろう水溜りの向こう側。そこを目指して、その水溜りの倍近く取った助走距離。
彼女は今、必死に水溜りへと近づこうとしていた。
普段から遊び回っている公園。助走距離以上の距離を走り回っているはずなのに、今の彼女には、その助走距離でさえも千年のような感覚を覚えていた。それはきっと――
普段は誰かの背中を追いかける。誰かが付いてきてくれていると言う安心感があるから。だから無我夢中に走り回れるのだろう。
しかし、今の彼女の目の前には誰もいない。
正確には飛び越えた先には誰もいない。そして自分を追
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