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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
373部分:第五十一話 黒い炎その三
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第五十一話 黒い炎その三

「頼むぞ」
「はい、わかりました」
「それでは」
 その言葉に従いそのうえで彼等は一斉に一礼した。そうしてそのうえでシオンの前から立ち去った。お互いにまずはそれで別れたのだった。
 シオンは黄金聖闘士達を去らせてから一人になった。一人になった彼はすぐに人を呼んだ。
「誰かいるか」
「はい」
「教皇、御呼びでしょうか」
 すぐに彼の従者達が来た。畏まって一礼してから述べてきた。
「お食事でしょうか」
「それとも御入浴でしょうか」
「いや、どちらでもない」
 だがシオンはその双方をまず退けたのだった。
「どちらでもな」
「といいますと」
「一体何を」
「アテネに出る」
 彼はこう従者達に告げた。
「そして街で人々に顔を見せるぞ」
「はい、わかりました」
「それでは」
「共の者はだ」
 ここで少し言葉を置いた。
「別にいいのだが」
「いえ、それはいきません」
「それは」
 だが従者達はそれを一斉に止めるのだった。
「私が参ります」
「いえ、私が」
 口々にこう名乗り出る。我が我がと彼の共を申し出るのだった。
「是非共御願いします」
「御供させて下さい」
「わかった」
 シオンはは彼等のその申し出を受けた。そのうえでまた言うのであった。
「では皆の者に告げる」
「はい」
「今ここにいる者全て来るがいい」
 こう告げるのだった。
「是非な」
「はい、それでは」
「御願いします」
 こうして彼等はシオンと共にアテネの街に出た。そうしてそのうえで街でその姿を見せる。それだけで誰もがシオンを崇める声を讃える。
「教皇様万歳!」
「聖域に栄光あれ!」
「アテナは常に貴方達を見ています」
 シオンはその彼等に対して告げるのだった。
「そのことをよく心に留めておいて下さい」
 さながらローマ教皇のようであった。聖域の教皇はまさに絶対にして聖なる存在だった。それだけのものが備わっているということだった。
 だがその実態は誰も知らない。そうした場所だった。そしてその真の義務も。誰も知ることはないのだった。無論今コムで行われていることも。
 カミュ達は相変わらず北へと進んでいた。その途中でカミュは言った。
「また来るな」
「そうですか」
「ここで出て来るのですね」
 他の聖闘士達は今のカミュの言葉を聞いて声をあげた。
「そろそろとは思っていましたけれど」
「来ましたか」
「そうだ。来た」
 カミュはまた言った。
「それではだ」
「ええ」
「わかりました」
 彼等はすぐに犬橇を止めた。カミュはすぐに聖衣を身に着けた。
「よし、戦闘用意ですね」
「それじゃあ」
「御前達はそのままでいい」
 カミュは今回も自ら前に出ようとしてき
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