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僕は生き残りのドラゴンに嘘をついた
最終話 二人、飛び立つ
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デュラに抱き付いた。
 目からは、また涙が大量に吹きこぼれてきた。

「ソラトくん、そのエンブレム付けてるということは頂級冒険者だよな? こんなにビービ―泣いてばかりの頂級冒険者は初めて見たよ」

 勇者が呆れたように言う。

「だって、嬉しいから……。デュラだってそうでしょ?」
「そうだな。同胞や大魔王様にもう会えないのは残念だが……。私はここでソラトと生きていても、よいのだな」

「うん。ずっとここで暮らそう! もうデュラの同胞はいないから、子孫を残すことはできないけど――あ!」
「?」

「そうだデュラ! 僕の子供を産めばいいんだ。ドラゴンの血は半分になっちゃうかもしれないけど、完全に途絶えるよりマシだよ!」
「なんだと!? そんなことができるのか?」

「結婚すれば、きっとできるよ!」
「ケッコンとはなんだ?」
「ええと、ずっと一緒にいて、交尾したりする関係?」
「ドラゴンと人間は交尾できないだろう」

「魔法で人型の魔族になれたじゃないか。あの状態でやればできるんじゃないの?」
「そんなことで、できるようになるのか?」
「さあ? でもやってみないとわからないよ!」
「変身できる時間も短いが――」
「僕の場合は短くても大丈夫!」

「あっはっは、きみ面白いなあ」

 見ると、勇者が笑っていた。
 他の三人も、笑っていた。



 ***



 勇者一行は、町に帰っていった。
 町に報告をして、また行方不明になる予定らしい。

 ソラトとデュラは、横穴の近くの見晴らしの良い場所にいた。

 ソラトは腰を下ろし、デュラはそのすぐ後ろで、半円状で包み込むように腰を落としていた。

「ソラト、我々はフウフとやらになるのか」
「うん。人間では、夫婦は嘘や隠し事をしないことになってるんだ。だから、僕はもう二度とデュラに嘘をつかないよ」

「……では私も嘘をつかないよう気をつけよう」
「そうだね。多分デュラはついさっき、嘘ついたから」
「……?」

「さっき、最初に会ったときに僕が正直に言っていたら、僕を殺していたって言ってたよね。あれ、やっぱり嘘なんじゃないかなあ」
「そうなのか?」
「うん。きっと出来てなかったと思うよ。だってデュラ……優しいから」

 デュラは、首を回し、ソラトの体に顎をこすりつけた。

「イタタ。デュラ、ちょっと痛いかも」
「ああ、すまない」

 慌てたように頭を離れさせるデュラを見て、ソラトは笑った。

「あ、そういえばさ。買った船はもう要らないよね。とっておいても仕方ないし、売っちゃおうか」

 ソラトはそう言ったが、デュラは少し考えたのちに、違う意見を出した。

「いや、ソラト。私はまだ船というものに
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