372部分:第五十一話 黒い炎その二
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第五十一話 黒い炎その二
「あそこじゃまずは」
「お互いその技がわかりませんでした」
「そうした状況では」
「倒せはしない」
また言うシオンだった。
「あれだけの実力の持ち主ならばな」
「では教皇」
これまで沈黙を守っていたシャカがここで口を開いたのだった。そのうえでシオンに対して問う。
「今現在の八大公達との戦いは」
「できるならばやはり倒しておきたい」
こうした希望は言う。
「だが。それは実際にはだ」
「難しいからですか」
「だからこそ」
「そうだ。相手の力を知りそのうえで御前達が生きて帰ればいい」
それでいいとするのだった。
「それでだ」
「あまりそれは積極的とは言えませんが」
シャカはあえてシオンに対して反論するように言ってみせた。
「積極的に攻めるのもまた方法だと思いますが」
「おそらく今の戦いには何かがある」
だがシオンはこうそのシャカの言葉に返すのだった。
「トラキアの方で何か企んでいるな」
「トラキアから」
「それは一体」
シャカとアイオロス以外の黄金聖闘士達がトラキアと聞いて多少ざわめき立った。言うまでもなくアーレス、そして狂闘士達の本拠地だ。アテネにある聖域と今現在対峙する形になっているのだ。
「企んでいるのですか」
「今の戦いに」
「まだ彼等の神は姿を現わしてはいない」
シオンはこのことを彼等に告げた。
「まだな」
「今いるのはエリスだけ」
「そういうことですか」
「アーレスがいない」
アイオリアがこの名前を今出した。
「そういうことですね」
「アーレスだけではないのかも知れない」
だがシオンはこうも言うのだった。
「若しやな」
「アーレスだけではない」
「まだ他に神々が」
「気をつけるのだ」
シオンは今己の前に集っている黄金聖闘士全員に告げた。
「まだトラキアについてはわかっていないことが多い」
「まだですか」
「あの連中については」
「先の聖戦は確かに激しいものだった」
この場合はアーレスとの、という意味である。聖域は過去ハーデスやポセイドンだけでなく彼等とも激しい戦いを繰り広げてきているのである。そのことを言っているのだ。
「だが。それでも彼等の全てはわかっていないのだ」
「確かに」
彼の今の言葉に頷いたのはムウだった。
「あくまで魔神達の数位です」
「その力もあまりわかってはいない」
しかもそうなのだった。彼等は知らないのだ。
「それは向こうもだがな」
「ということは」
アイオロスはそれを聞いてシオンの言葉を確信ことになった。
「我等はこのまま暫くは睨み合うように戦っていくだけなのですね」
「だがそれはそのまま終わりではない」
シオンはここでこうも述べたのだった。
「
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