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僕は生き残りのドラゴンに嘘をついた
第4話 ドラゴン、背中に乗せる
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。怖くない」

 明らかに揺れないように配慮された飛行。
 中継地点へのフワッとした離着陸。
 そして、乗り心地を定期的にソラトに確認する、その気遣い。

 ソラトには、たまらなく申し訳なく感じた。



***



 無事に依頼も終え、お金も貯まり。デュラが乗っても沈まないような、少し大きめの船を買った。

 デュラにそれを報告したら、「これでやっと同胞や大魔王様のところに行ける」と喜んだ。
 それを聞き、ソラトの胸は、また痛んだ。

 これで全ての用意は整ったことになる。
 船にデュラを乗せ、ありもしない東の大地に向かってもらう。
 当然どこにも着かないし、騙されていたことに気づいた頃には、すでに自力で戻れる距離ではないだろう。
 ソラトは殺されなくて済む。

 ……。

 ソラトは自分のしていることが最低だという自覚があった。
 しかし、いま本当のことを言ってデュラに殺される勇気まではなかった。

 そして、「こうするしかなかったんだ」と自分の行為を正当化する思いが、心のどこかにあるのも事実だった。

 そんな自分が、心底嫌だった。
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