第3話 ソラト、級を上げる
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「何だ?」
「僕、少しは腕上がってる?」
「そうだな。だいぶ良くなった。体つきも以前よりしっかりしてきている」
デュラはそう言うと、包んでいる体をほんの少しだけ締めた。
激しく動いていたからかもしれないが、デュラの鱗は、見かけのイメージよりもずっと温かかった。
「ドラゴンに稽古してもらえるって、多分、贅沢なんだろうな。しかもタダで教えてもらってる」
「私はかまわない。お前には同胞や大魔王様の居場所を教えてもらった。それに、これから船を用意してもらう。我々ドラゴンは、受ける恩に対しての対価は惜しまない。むしろ不足と考えているくらいだ」
「……そ、そうなんだ」
急に居心地の悪さを感じ、ソラトは立ち上がった。
「じゃあ、また明日来るよ」
「ああ。待っている」
休んで、息は整った。
だが、ソラトの胸の苦しさは、増した。
その恩。それがすべて、嘘だとしたら。
デュラ、君は――
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