暁 〜小説投稿サイト〜
僕は生き残りのドラゴンに嘘をついた
第2話 ドラゴン、方針を決める
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


「なるほど。お前は冒険者。依頼をこなす仕事でお金が貯まっていく――それで間違いないのだな?」
「うん。そうだよ」

「では一番難しい依頼を受ければすぐ貯まるのか」
「そ、それは……無理なんだ。僕はまだ初級冒険者だから、受けられる依頼は簡単なものばかり。級が上がるのは少し時間がかかる」
「かまわない。私は待とう」

 ドラゴンは、依頼をできるだけたくさん受けて、級を上げるよう指示した。
 そして、こまめに報告に来ることも要求し、この日は下山するように言った。

「あ」
「なんだ」
「横穴の入口、もうちょっとしっかり隠したほうが」
「……そうか。わかった。ありがとう」

 万一他の人間に見つかり騒ぎになった場合、自分が裏切ったと勘違いされ、殺される。
 その心配から忠告をしただけだった。

 しかし、このときの「ありがとう」という言葉は、妙にソラトの頭の中に残った。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ