第2話 ドラゴン、方針を決める
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「なるほど。お前は冒険者。依頼をこなす仕事でお金が貯まっていく――それで間違いないのだな?」
「うん。そうだよ」
「では一番難しい依頼を受ければすぐ貯まるのか」
「そ、それは……無理なんだ。僕はまだ初級冒険者だから、受けられる依頼は簡単なものばかり。級が上がるのは少し時間がかかる」
「かまわない。私は待とう」
ドラゴンは、依頼をできるだけたくさん受けて、級を上げるよう指示した。
そして、こまめに報告に来ることも要求し、この日は下山するように言った。
「あ」
「なんだ」
「横穴の入口、もうちょっとしっかり隠したほうが」
「……そうか。わかった。ありがとう」
万一他の人間に見つかり騒ぎになった場合、自分が裏切ったと勘違いされ、殺される。
その心配から忠告をしただけだった。
しかし、このときの「ありがとう」という言葉は、妙にソラトの頭の中に残った。
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