371部分:第五十一話 黒い炎その一
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第五十一話 黒い炎その一
黒い炎
「それではベリアルというのは」
「そうした力を持っているのですね」
「そうだ」
また教皇の間においてシオンが黄金聖闘士達に対して告げていた。黄金聖闘士達は今日もまた彼の前に片膝をつき集っているのだった。
「炎を使うのだ」
「炎といいますと」
「カミュの逆ですか」
シュラとアフロディーテはそれを聞いてすぐに述べた。
「そうなりますね」
「まさに」
「そうだ。両者はまさに対極にある」
シオンは今度はカミュも指し示して言うのだった。
「まさにな」
「へっ、それでもカミュなら負けませんよ」
「確かに」
デスマスクとアルデバランがそれぞれ言ってきた。
「あれで存外しぶとい奴ですしね」
「倒されることはありません」
「その通りだ。おそらくカミュは敗れはしない」
それはシオンもわかっているようだった。ここでこうした言葉を出せるというのはそうしたことを見ているからに他ならないことだった。
「何があろうともな」
「ですが教皇」
「勝利は」
アイオリアとミロが危惧するのはそちらだった。
「どうなるでしょうか」
「勝たなければ。この戦いは」
「いや、それはまだいい」
だがこの二人に対してアイオロスが告げる。
「勝つのは今でなくともいい」
「今ではない?」
「それは何故」
「今はお互いのことがわかっていない」
いぶかしむ声を出す二人に今度はこう告げるアイオロスだった。
「我々にしろあちらにしろな。まだよくわかってはいない」
「その通りですね」
アイオロスの今の言葉に応えて頷いたのはムウだった。
「我々は彼等狂闘士達のことをよく知りません」
「敵を知り己を知れば百戦危うからずという」
アイオロスは今度は中国の古典にある言葉を出してみせた。
「そうした状況で戦ってもだ。完全な料理は得られないものだ」
「アイオロスの言う通りだ」
シオンはアイオロスが正しいとした。
「今は生き残ればそれでいいのだ」
「カミュがですか」
「それで帰って来ればいいと」
「今まで出陣した者も同じだが」
ここでは先に出陣した四人のことも話に出してみせる。
「私はあれでいいと思っているのだ」
「左様ですか」
アルデバランがシオンの言葉を聞いて重厚な声を出した。
「我々が生きて帰れただけで」
「俺はかなり不満ですがね」
デスマスクはあえてこう言ってみせてきた。
「あの蝿野郎を潰しておきたかったですがね」
「俺もまた」
それはシュラも同じなのだった。
「ベール。あの時に倒しておけば」
「全くです。あれは私の不覚でした」
アフロディーテも二人と同じ言葉を出す。
「アスタロトは今後我々の禍根に
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