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幽雅に舞え!
雷と暗雲の街、キンセツ
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「ここが・・・キンセツシティ」
「町そのものが一つの屋内と化した場所・・・日傘の必要がないくらいにおもっていたけど、これはすごいね」

老婆と別れを告げ、オーロットとパンプジンとの息を合わせながら草むらを抜けたサファイア達はキンセツシティを見上げて感嘆の声をあげていた。

そこは正しくルビーの言う通りの場所で、入り口のサファイア達から見ればそびえ立つ黄色と銀の城のようですらあった。カイナシティも華やかな町だったが、あちらは草花が豊かだったのに対し、こちらは鉄と鋼の光沢による美しさを感じる。
 
「この中にはどんな店があるんだろうな、なんかわくわくするよ、俺」
「浮かれちゃって、子供みたいだね。・・・ま、わからなくもないけど」
 
 そういうルビーも、内心は期待に胸を踊らせているのかもしれない。キンセツシティには町の前に受付があり、そこで名前を言うと登録証が発行され、街中ではそれがパスポートのようなものになる。不審者を防ぐためのシステムらしい。
 
「サファイア・クオールです」
「ルビー・タマモだよ」
 
 そう名乗ると、受付嬢が目を見開いた。すぐに冷静を装って少々お待ちくださいといい、どこかに電話をする。ほどなくして登録証は発行された。だが。
 

「貴様ら、そこで止まれ。これ以上近づけば命の保証はせんぞ」
 
 
 いざ町に入った二人を待ち受けたものは、紫色と金の派手な制服を来た男達、そしてサファイア達に物騒な事を言い放った紫の革ジャンを来て、髪を雷の具象化のように尖らせた派手な男による包囲だった。いきなり取り囲まれ、困惑するサファイア。
 
「な・・・なんなんだ、あんたらは!」
「俺様の名を問うか。ならば聞くがいい。俺様はキンセツシティジムリーダー、ネブラ・ヴォルトだ」
「あんたがこの町のジムリーダー?何のためにこんなことを」
 
 ネブラと名乗った男の口調は少しだけエメラルドに似ていたが、向こうは自分の自信が満ち溢れているが故のものに対し、目の前の彼は自分の与えられた役目に相応しいものにすべく意図的にやっているようにもルビーには感じられた。彼はサファイアの質問にこう答える。
 
「はっ!知れたことよ、世界の王者にありながらティヴィル団なる悪の組織に荷担し、この町に仇なすシリア・・・其奴と血を分けた女が入り込む前に捕らえにきたのだ」
「なっ・・・!!」
「・・・」
 
 あまりに突然の嫌疑を向けられ、言葉を失うサファイアとルビー。ルビーは増して直接疑いをかけられ、シリアと同一視されているのだ。ルビーの目が冷たくなる。

「なんの根拠があってそんなこと言うんだ!シリアが何かしたのかよ!」
「ふ・・・愚問だな。カナズミシティで
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