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幽雅に舞え!
雷と暗雲の街、キンセツ
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 彼女はムロ以降、いつも通り呆れたり馬鹿にしたりする傍ら、ときどきふっと好意を見せてくるようになった。そのたびに、サファイアの心臓が跳ね上がる。なんというか、ギャップがあるのだ。
 
「冗談だよ、冗談。好きではあるけど、愛しているは言い過ぎさ。まだボクもそこまで大人じゃない」
「あの・・・ルビー?」
「なんだい?」
 
 だが今顔を真っ赤にしているのは、それが理由ではない。そしてその理由を恐らく彼女は忘れている。
 
「今、俺達監視されてるの、忘れてないか・・・?」
「・・・あ」
 
 今度はルビーが顔を赤くした。最近は二人で旅をしていたのと、あまりに監視が気さくなので忘れていたのだろう。一部始終を見ていた監視員は、にやにやと二人を見ている。
 
「ひゅーひゅー、熱いわねえお二人さん」
「坊っちゃん、男ならここで抱き締めてキスでもしてやれ!」 
「ちょっ・・・できるわけないだろ、そんなこと!」
 
 サファイアが怒鳴ると、ぶーぶーとブーイングがあがった。カイナシティの時のように逃げ出したくなったが、監視されている立場ではそれすらできない。

「どうしてくれるんだよ、ルビー・・・」
「・・・ごめん」

このあと二人はどこで知り合ったのだとか、想い出の場所はとか、どこまでしたのかとか色々根掘り葉掘り聞かれ。二人は恥ずかしい思いをしながら夜を過ごしたのだった。そして翌日ーー


「ほお、定刻通り来たようだな。旅人にしては上出来だと誉めてやる・・・ところで貴様ら、まさか寝不足ではないだろうな」
「ふあ・・・だ、大丈夫さ。問題ない」
「まさか寝床でも質問攻めにされるとは思わなかったよ・・・」

男女別れて寝床に入ってからも、そこはそこで男同士、女同士でしか言えないようなことを聞かれたため弱冠眠そうにまぶたを擦るサファイア達。

「まあいい、手加減はせんぞ。ーーさあ、どちらからくる」
「まずは俺からだ。いいよな、ルビー」
「後のほうがやり易いし、ボクはそれで構わないよ」
「よし、てば・・・バトル開始の宣言をしろ!」
「バトル開始ィー!!」

話は纏まった。ジムトレーナーの一人が審判となり、宣言すると共に二人はポケモンを出す。
 
「来るがいい、コイル!」
「頼むぞ、オーロット!」
「ほう、カロス地方のポケモンを使うか・・・コイル、ソニックブームだ!」
 
 先手をとったコイルが音の衝撃波でオーロットを襲う。

「ナイトヘッドと同じ、固定のダメージを与える技か・・・でも大したダメージじゃない。オーロット、ゴーストダイブだ!」
 
  オーロットがその巨体を自らの影に沈める。そしてコイルの下へ近づいた。敵を
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