雷と暗雲の街、キンセツ
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でいると、ジムリーダーのネブラが話しかけてくる。
「報告書は見せてもらった。今日は大人しくしていたようだな。だがだからといって明日以降監視が緩むとは思わぬことだ。監視員だけでなく、町中のカメラが貴様らを見ているぞ」
威圧的な口調で言う態度は、一見サファイア達を気遣っているようにはとても思えない。だが監視員の話ではこのようなことをするのは本意ではない・・・らしかった。
「なあ、提案があるんだけど・・・」
「なんだ、外出なら断じて認めんぞ。闇に乗じて何をされるかわかったものではないからな」
「違う」
サファイアは振り向いて、ネブラをまっすぐ見据えた。
「俺は、あんたにジム戦を申し込む。駄目な理由はないだろ」
「・・・ほう。だが何故今俺様に挑む?疑われるようなことはすまいとそこの女狐と決めたのではなかったのか?」
サファイアは、一瞬ためらった後意を決して答えた。
「やっぱり何も俺達は悪いことしてないのに疑われるのは嫌だ。それに、あんたは言ったよな。カナズミシティでの戦いを茶番だと見抜いたって」
「確かに言ったな」
「だったら、俺と戦えば俺があいつらと協力してないかも分かるんじゃないのか?バトルでシリアとルビーを疑うなら、バトルで疑いを晴らしてやる!」
「・・・サファイア君。それは」
正直、理屈としてはかなり荒っぽいというか屁理屈の域だ。だがネブラは、にやりと笑った。
「面白いことを言うな、貴様は。ジム戦をしたからといって貴様らの容疑が晴れるとは到底思えんが・・・挑まれたジム戦は受けるのがジムリーダーの定めよ」
「じゃあ」
「よかろう、その申し出受けてやる。但し、疑いを晴らしたいのならば女狐も戦場に出ることだ」
ネブラがルビーに視線を移す。ルビーは溜め息をついた。
「仕方ないね、サファイア君のわがままに付き合うさ」
「ごめん、ルビー」
「いいんだよ、それが君の優しさだろう?」
わかってるよ、と言いたげにサファイアに微笑みかける。その笑みを見て安心するサファイア。
「では、ジム戦は明日の朝7時に行う。ルールは3対3、シングルバトルだ。努々寝坊などせぬことだな」
「今からは駄目なのか?」
「俺様は貴様ら旅人ほど暇ではないのでな。では失礼する」
「なんだよ、もう・・・」
棘のある言い方にむっとするも、言い返すことはせず踵を返して去るネブラを見おくるサファイア。
「彼はどうやら、素直じゃない人みたいだね」
「・・・ルビーが言うのか?」
「なんだい?ボクはこれでも君の事を素直に愛しているつもりだよ」
「・・・それ、ずるいだろ」
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