雷と暗雲の街、キンセツ
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のやつの戦い、あれはとんだ茶番だ。それを見抜けぬ俺様の邪眼ではない」
「それは・・・」
ルビーも感じていた違和感をこの男も気づいていたらしい。
「そしてこれが動かぬ証拠だ。見るがいい」
ネブラは懐から一通のメールを取り出す。そこにはこう書かれていた。サファイアが読み上げる。
「我々はティヴィル団。近日中にこの町はメガストーンを集めるための礎となる。そのための布石は既に打った・・・?」
「またいかにもな新聞の切り貼りだね・・・彼ららしい手口だけど、これは」
「どうだ。このメールが届いてすぐ、俺様のもとに貴様がやって来た。王者と血を分けしものを引き連れてな。それをなんと弁解する」
「とにかく誤解だ!俺達はあいつらに協力なんかしてない!」
「聞くに耐えん悲鳴だな」
「くそっ・・・こうなったら」
聞く耳持たない様子のジムリーダーに、腰のモンスターボールに手をかけるサファイア。それを止めたのは他ならぬルビーだった。
「やめたほうがいいね」
「なんでだよ!」
「今ここで反抗しても、良いことはない。むしろ本当にティヴィル団が来るなら、そちらへの警戒が薄くなってしまうよ」
「・・・わかったよ」
不承不承頷くサファイア。ネブラはしたり顔で部下達に命じる。
「賢明な判断だーー連れていけ」
サファイア達は一旦キンセツシティのジムに連れていかれた。そこでジムのトレーナーが着る制服に着替えさせられる。金と紫の意匠の制服は派手であまり好んで身につけたい格好ではなかったが、仕方がない。
「貴様らには24時間監視をつけさせてもらう。また、夕方5時にはジムに戻り、朝9時までの外出は禁止だ。分かったか」
「わかったよ・・・」
「牢屋に入れられないだけましとするさ。服まで着替えさせられるとは思わなかったけど」
不満はあるものの、抵抗しないほうがいい以上仕方がない。
「ではせいぜい、この町を楽しむがいい。健全にな」
キンセツジムから一旦出ていかされ、町を観光することになったものの、男女二人ずつの監視がついてはまともに楽しめたものではない・・・そう思っていたのだが。
「坊っちゃん、旅して短い間にもうバッジを集めたのかい。最近の若者は大したもんだねえ」「嬢ちゃん、この町のクレープは美味しいよ?奢ったげるから食べていきなさい」
見張りの人に気さくに話しかけられ、主にサファイアが戸惑いながらも町を案内される。ルビーは最初こそ驚いたものの、今ではすっかりおごってもらったクレープを幸せそうにちまちまかじっている。
「いい加減、肩の力を抜いたらどうだい?辛気くさいとせっかくの案内役
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