暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第34話『切符』
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
天変地異も思いのまま!』って感じかしら」

「もはや兵器じゃないっすか、その力」


様々な意見が飛び交う中、俺の思考はある所に飛んでいた。


俺のせいで体育祭が中止になったのか、と。


部長の仮説はきっと正しい。でないと、急に低気圧やらが現れるなんておかしいのだ。
つまり俺のせいで、生徒全員の思い出になるであろう体育祭が・・・無くなったのだ。


「あ、あぁ…」


そう考え始めると、俺はいよいよ自己嫌悪に陥る。

俺のせいで俺のせいで俺のせいで──


「おい三浦、そんな暗い顔すんな。別にお前が悪い訳じゃない。不可抗力ってやつだよ」


俺の心が一瞬戻った気がした。
なおも言葉は続く。


「そうよ。魔術を使ってこその魔術部なんだから、そんな異常気象なんかドーンと受け止めなさい」

「ったく、俺より先に妙に凄い力手に入れやがって。俺も何か会得してやる…!」


俺は目を見開き、困惑する。
本来であれば、責められても何も言えない立場だというのに、なぜ、彼らは俺を庇おうとするんだ?
彼らの表情に陰りはない。本心から言っているようだった。

何で?

そんな俺の疑問は、部長の言葉によって打ち砕かれた。


「お前は仲間だ。どんな行いだって正当化してやるよ」


その言葉は、俺を安心させるには十分だった。
感謝してもしきれない寛大さ。俺はそれに救われたのだ。


「迷惑かけて、すいません」


俺の口から出たのは、そんな謝罪。
もっとも、悲しんだ表情ではなく、笑みと共にだ。







「ところで部長、何に使うんですか?!」


脈絡を考えない俺の質問。この質問もまた、話題を急変化させていた。
しかし今回に至っては、その変化先が全くもって明快でない。それは皆が『?』を浮かべていることから、容易に想像できる。
俺はそれに気づき、訂正するように二の句を継いだ。


「あ、部費のことです」


その言葉で誰もが理解した。
そして部費の主である部長を、全員が見据える。

すると注目された人物は、軽口を叩く様に言った。


「俺が欲しいって言ってたヤツの話だろ?」


誰もがその言葉に頷き、続きを聞きたいと言わんばかりに部長を見つめる。
部長はその様子を一通り眺めると、表情を変えずに言った。



「実はそれ、もう手に入れちゃった」

「「へ??」」


全員のマヌケな声が重なる。
間違い無い。この人は今言外に「部費を使った」と言った。
…ほぼ私用で。


「部長、一体何に使ったんですか?!」

「そうよあんた、相談もなしに!」


俺と副部長の糾弾。さすがにそ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ