第34話『切符』
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天変地異も思いのまま!』って感じかしら」
「もはや兵器じゃないっすか、その力」
様々な意見が飛び交う中、俺の思考はある所に飛んでいた。
俺のせいで体育祭が中止になったのか、と。
部長の仮説はきっと正しい。でないと、急に低気圧やらが現れるなんておかしいのだ。
つまり俺のせいで、生徒全員の思い出になるであろう体育祭が・・・無くなったのだ。
「あ、あぁ…」
そう考え始めると、俺はいよいよ自己嫌悪に陥る。
俺のせいで俺のせいで俺のせいで──
「おい三浦、そんな暗い顔すんな。別にお前が悪い訳じゃない。不可抗力ってやつだよ」
俺の心が一瞬戻った気がした。
なおも言葉は続く。
「そうよ。魔術を使ってこその魔術部なんだから、そんな異常気象なんかドーンと受け止めなさい」
「ったく、俺より先に妙に凄い力手に入れやがって。俺も何か会得してやる…!」
俺は目を見開き、困惑する。
本来であれば、責められても何も言えない立場だというのに、なぜ、彼らは俺を庇おうとするんだ?
彼らの表情に陰りはない。本心から言っているようだった。
何で?
そんな俺の疑問は、部長の言葉によって打ち砕かれた。
「お前は仲間だ。どんな行いだって正当化してやるよ」
その言葉は、俺を安心させるには十分だった。
感謝してもしきれない寛大さ。俺はそれに救われたのだ。
「迷惑かけて、すいません」
俺の口から出たのは、そんな謝罪。
もっとも、悲しんだ表情ではなく、笑みと共にだ。
*
「ところで部長、何に使うんですか?!」
脈絡を考えない俺の質問。この質問もまた、話題を急変化させていた。
しかし今回に至っては、その変化先が全くもって明快でない。それは皆が『?』を浮かべていることから、容易に想像できる。
俺はそれに気づき、訂正するように二の句を継いだ。
「あ、部費のことです」
その言葉で誰もが理解した。
そして部費の主である部長を、全員が見据える。
すると注目された人物は、軽口を叩く様に言った。
「俺が欲しいって言ってたヤツの話だろ?」
誰もがその言葉に頷き、続きを聞きたいと言わんばかりに部長を見つめる。
部長はその様子を一通り眺めると、表情を変えずに言った。
「実はそれ、もう手に入れちゃった」
「「へ??」」
全員のマヌケな声が重なる。
間違い無い。この人は今言外に「部費を使った」と言った。
…ほぼ私用で。
「部長、一体何に使ったんですか?!」
「そうよあんた、相談もなしに!」
俺と副部長の糾弾。さすがにそ
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