暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第188話 虎牢関
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は遠ざけるに限る」

 正宗は朱里の考えを否定した。

「賈文和が呂奉先を正宗様と共に殺そうとしたと聞きました。それが呂奉先を遠ざけた理由と正宗様は見ておいでなのですね」

 華琳が正宗の言葉を継いだ。

「確かに、虎牢関は呂布に近しい者達だけが集められている感じですね」

 朱里は納得したように頷き、自分の顎に指を当て思案していた。

「堅固で知られる虎牢関といえど、五千程度で我らを阻むことは不可能でしょう。一日で落とすことができると存じます」

 桂花が正宗にいますぐ攻めるべきと目で促した。彼女だけでなく、その場の諸将達も同意見のようだ。五千で三十万を阻むなど暴挙としか言いようがない。だが、その優勢な状況にあって、功を焦る外様の諸将達は我こそはと名乗りでる気配がない。皆一様に周囲を窺っていた。主将が呂布であるからかもしれない。呂布は飛将軍と称されるほどの武勇の持ち主である。その武名を恐れているのだろう。

「もし、董仲穎が都を捨てた場合、どこに逃げる可能性がある」

 唐突に正宗は先程まで彼に意見していた者達に話を振った。この後に及んで董卓が逃げることは難しい。しかし、正宗はその可能性を無視できないようだった。

「涼州まで逃げることは至難の業でしょう。そうなると長安になると思います。しかし、長安に逃れてもそう簡単ではないでしょう。まず、いかに皇帝陛下を連れ出すかが最大の障害になります。それに我らを追撃をかわしきるには時間があまりありません」

 冥琳は正宗の懸念に対して自らの意見を言った。彼女は董卓が逃亡するには時間的制約や諸条件が重なり困難であると考えているようだ。揚羽と朱里と華琳と桂花は同感と頷いていた。

「長安への逃亡は困難と見ていいか。念のために聞くが、長安に兵糧が運び込まれた形跡はあるか。確認が取れていないなら、用心のために人を向かわせて欲しい」
「兵糧が運び込まれた形跡はございません。長安の監視は抜かりなく行っております。この地は我が司馬一族の庭と一緒にございます」

 揚羽が即答した。

「すると董仲穎は敢えて守るに不利な洛陽で勝負を決するつもりか」

 正宗は感慨深げに独白した。

「不利であろうと子飼いの涼州兵を割く余裕はないということでしょう」

 華琳は正宗に助言をした。それを聞き、正宗はしばし黙考した後に口を開いた。彼の瞳は強い意志が籠もっていた。

「虎牢関攻めの先陣を務める者達を決める。我こそはという者はいるか?」
「先陣の役目を私にお任せください」

 碧(馬騰)と火蓮(孫堅)が同時に名乗りを上げた。両者は視線を交わす、火蓮が少し苛ついた目つきで碧をねめつけた。対して碧は敵意を示す火蓮に困った表情を浮かべていた。正宗陣営からは名乗る者達がいな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ