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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十一話 暗雲が立ち込めています。
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早くから死亡しており、2人の孫だけがいるような形で有った。
今年17歳になるエリーゼ・フォン・ブランデンブルクと19歳のヘルマン・フォン・ブランデンブルクであった。順当にいけば長子の娘であるエリーゼが相続権を有することになるのだが、ここで問題が起こった。当主のシャウフトが急死し、その遺言状が発見されたのだが、それによるとヘルマンがブランデンブルク侯爵家を継ぐべし、とあったのである。
 エリーゼ側は当然これに猛反発した。家人も親戚もこぞって彼女に味方したのである。遺言状は偽造されたに違いないと、言い張った。
 これに対してヘルマン側は遺言状は正規の手続きにのっとったものであり、侯爵自身の直筆まで添えられているのだと主張した。
 どちらも譲らず、双方に貴族たちがそれぞれ味方して次第に問題は大きくなっていった。

 これについては理由がある。先ほど、重要問題は貴族議会の投票によって決せられると述べたが、皇帝の帝位継承権については、貴族議会から投票によって任命された「委員」5名と選定諸侯6名の計11名で協議されることになっている。全貴族を協議に参加させることはあまりにも時間と労力がかかりすぎるためだ。ブランデンブルク侯爵家は選定諸侯として皇帝から任命された6家の一人であった。
 この選定諸侯がどのように重要な立ち位置なのか、説明するまでもないだろう。皇帝の帝位継承権はその親族や一門にとっては多大な権威、そして利権、金が絡む問題であり、そう言った問題に携わる家柄とのやりとり、駆け引きには「袖の下」が、それも多額な金額が動くことは言うまでもない。
この6家選定諸侯については、貴族議会で不信任の議決がなされ、かつ皇帝自らが不信任としない限りは半永久的に続くことになっている。票の数では11分の1とはいえ、ブランデンブルク侯爵家は選定諸侯の筆頭格で有り、その発言の力たるや皇帝の帝位継承権を動かしうるものであると噂されていた。噂だけというのは皇帝の帝位継承権に関する会議は、場所、日時、一切が非公式であるためである。

ブランデンブルク侯爵家が選定諸侯の筆頭格であるか否かは定かではなかったが、帝位継承権を得ようとする者たちにとっては、ブランデンブルク侯爵家の跡取りが誰かという事は非常に重要なことであった。


ヘルマン・フォン・ブランデンブルクにはブラウンシュヴァイク公が味方し、エリーゼ側にはリッテンハイム侯爵が味方した。かねてから双方とも自分の娘、息子を相手に縁組させ、それをもって自己に有利に働きかけさせようとしていたのである。政略結婚というものはいつどこの時代にも存在するのだ。

サビーネ・フォン・リッテンハイムがフィオーナを尋ねてきたのは、ラインハルトとキルヒアイスたちとの会談の翌日だった。折あしくイルーナ・フォン・ヴァンクラフトは和平交渉使節
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