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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十一話 暗雲が立ち込めています。
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政局の動きに応じてその辺りは臨機応変に動かなくてはならないだろう。イルーナはその辺りのことをラインハルトが見据えているのを知って、安堵した。後は情報、そして疾風迅雷の動きが決定打を与えるだろう。
* * * * *
ラインハルトたちがこのように決意を新たにしているころ、帝都で一つの動きがあった。
家族というものは、いざというときに血によって結束力を生む得難い存在であるが、時としてその血が災いを呼ぶことがままあるものだ。こと、それが帝位だの皇位だのという至高の位を継承するにあたっては尚更である。
皇帝フリードリヒ4世には皇太子がいたが、すでに死去している。その子に帝国歴482年生まれのエルヴィン・ヨーゼフ2世がいる。ところが、この孫につき、奇怪な噂が流れていた。すなわち、皇太子死去した年月とエルヴィン・ヨーゼフ2世が誕生した年月には時間軸に開きがあり、皇太子の種ではないのだというのだ。くしくもブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯爵がカロリーネ皇女殿下に対してはなった噂と全く同じ色合いのものである。もっともブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯爵はこの孫について、追い落としを図ろうとはしなかった。何しろ自分たちには同じ皇帝の孫という手駒がいるのだ。追い落としにかかれば、それをネタにされ、相手方から糾弾される隙を与えかねない。
そのブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯であるが、フリードリヒ4世の娘を妻に娶っており、それぞれに帝位継承権を持つ子供がいた。
原作とは異なり、あるいは紹介されていなかった者もこの現世においては確かに存在するのである。ブラウンシュヴァイク公には長女エリザベートに長子フランツが、リッテンハイム侯爵には長女サビーネ、長子ヴィルヘルム、次男レオポルトがいた。皇帝の帝位継承権を争うにあたって、有力な後ろ盾がないエルヴィン・ヨーゼフ2世の存在はかすみがちであり、ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯爵の子供たちの誰かが継ぐだろうとうわさされていた。
こうした重要な国事は通常は枢密院や国務尚書らの閣僚の助言をもとにして皇帝の聖断で行われるが、時として貴族議会の投票によって決せられる。例えば、閣僚ら少数の人間の助言で決定してしまっては、波紋が大きくなるような重要問題についてである。
ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯爵は以前からこの問題については、水面下で互いに勢力を築き上げてこの来るべき貴族議会での投票に備えていたが、ここにある問題も絡んできた。
ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯には及ばないものの、それなりに権威をもつ侯爵家が存在する。ブランデンブルク侯爵家がそれである。当主であるシャウフト・フォン・ブランデンブルクには2人の子供がいたが、その子供たちは
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