暁 〜小説投稿サイト〜
ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十一話 暗雲が立ち込めています。
[3/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「犠牲ゼロ。それはとても理想とすべきことだし、もし本当にそうなれば素晴らしいことだけれど、でも、誰かが言っていたとおり、一滴の血も流さず、一人の犠牲も出すことなく登極することはできないわ。血に染まっていない王座は古来存在しない。残念ながらね。」
キルヒアイスはうなずいた。
「フロイレイン・ティアナのおっしゃること、よくわかりました。ですがおっしゃられた理想をわたくしは持ち続けていたい。きれいごとであるかもしれませんが、それこそが『人間らしく』あり続けるために必要なのではないかと思うのです。」
「キルヒアイスらしいな。」
ラインハルトは親友にあたたかなまなざしを向けた。3人はそれを温かく見守っていた。ラインハルトとキルヒアイス、原作ではヴェスターラントの大虐殺において二人の間に亀裂が発生することがあった。せめてこの現世においてはそうあってはならないでほしい。そのためにもキルヒアイスには登極の道においては清廉さばかりではなく陰謀権謀算術を弄する必要があることを理解してほしいと3人は願っていた。他方、ラインハルトには、一本の背骨のごとくしっかりしたものを持っていてほしい、どんなことがあろうとも最後の清廉さだけは失わないでいてほしいと3人は思っていた。
「こちらも覚悟はできているつもりだ。今までも決して安易な道ではなかったが、これから先はより困難な道になるだろうという事はキルヒアイスと話し合ってきた。イルーナ姉上、フロイレイン・フィオーナ、フロイレイン・ティアナ、そしてアレーナ姉上やあなた方同志たちに言いたいのだ。どうかこれからもよろしくお願いしたい。」
3人が驚いたことに、ラインハルトは軽く頭を下げてきたのである。キルヒアイスも同様だった。
「こちらこそ。私たちは全力であなたたちをサポートするわ。」
イルーナが静かにそう言い、フィオーナ、ティアナも共にうなずいた。
「ラインハルト、あなたはそれで内乱が起こった場合にどう動くの?」
ラインハルトの顔色に笑みが浮かんだ。それは強敵や高い困難な壁を前にした時のあの闘志にあふれた顔だった。
「一介の佐官等ならともかく、私も曲りなりには大将だ。それなりに握手を求めてくる人間もいるでしょう。それを待ちます。」
「その相手とは?」
「イルーナ姉上らならお分かりだと思いますが。・・・・固有の武力を持たず、かつどちらの陣営にも属さない人物、すなわち・・・・クラウス・フォン・リヒテンラーデ侯爵。」
かの老人を担ぎ上げ、中央政権を守る動きを見せつけることで、どちらにも属さないことを表明します、とラインハルトは言葉をつづけた。
「ただし、どちらかの陣営が雌雄を決するとき、帝室の勅命でどちらかに加担するようなことがあれば、話は別ですが。」
ラインハルトはただ硬直的に中立を表明するつもりはないらしい。戦局・
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ