誕生日記念 野良猫と出会った僕
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多分それが僕の中で定まった行動原理じゃないからだ。
───僕と星空凛は友達じゃない、ただのクラスメートだ。
小学生とは思えない冷徹な感情があったからだ。
遠ざかる彼女の背中を見て、可哀相と思いながらも、ただ心の中でそう思うだけで何もしない僕がいた。
そんな最低な思考から、ちょっとばかり成長するのはもう少し先の話。
それは、”星空凛”から”凛ちゃん”へと変わったときの話。
〜☆★☆〜
彼女の泣き顔を初めて見た翌日のこと。
更に出来事は続いた。
早朝。
日直と先生からの要件と子猫のお世話という三件ほどやるべきことがあった僕は、朝6時であるにも関わらず学校に来ていた。
正門はカギがかけられてどうしようかと思ったけど、人目もなかったのでこっそり乗り越えました。
悪いことしているなぁと反省はしたけど時間があまり無いのでそこは断念。
グラウンドを堂々と歩く勇気は無いので少し遠回りして到着したのは体育館裏。
木々の間に手を突っ込み、段ボールを取り出す。
『おはよ〜パンダ〜っ。元気にしてた〜?』
返事しているかのようににゃ〜ご、と鳴き声。
いつも通り元気そうで何よりだった。
しかし、段ボールを開けて子猫を持抱き上げた時に僕は気が付いた。
『?』
”ソレ”を見た時は何がなんだか僕には理解できなかった。
子猫は妙にふるふると体を震わせて、まるで僕に抱きかかえられるのを拒否しているかのようだった。
猫は自分にとってのご主人様にしか懐かないと聞いたことがある。それは恐らく子猫を拾った星空凛だ。だから主人ではない僕に抱きかかえられるのを嫌がるのは至極当然だと思った。
───だけど、そうじゃない
次に僕が注目したのは子猫の右足。
...普通なら決して曲がることのない方向に”ねじ曲がっている右足”がぶらんと力無く爛れていた。
支えているはずの”モノ”はどこいったのかな?
『どう...して?どうしてこんなことに』
理解ができなかった。
猫だから一人で勝手に散歩しているかもしれないとは思ってた。子猫だからしないのかもしれないけど。だからもしかすると他の動物を遭遇して喧嘩してケガをしてこういうことになっているのかもしれないとしばらく考えた。
でも、どう考えても人間以外の生き物が
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