暁 〜小説投稿サイト〜
ラブライブ!〜夕陽に咲く花〜
誕生日記念 野良猫と出会った僕
[3/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
女はそう言う。
その発言に花陽は起き上がって『あわ、わわわわ』と真っ赤にして慌てている。
飛び起きた衝撃で眼鏡が少しずれていた。


『いいよ〜、花陽ちゃんはどうかな?』
『ふぇぇっ!?わ、私ぃ!!??え、えっとぉ...』



 新しいクラスメートにタジタジな花陽は眼鏡を直してから『ど、どうぞ...』と蚊の羽音のように小さな声で呟く。
途端、星空凛は嬉しそうにうんうんと頷いた後、すっくと立ちあがって教室入口隅のお友達に向けて声をかける。


『私、今日は日向ぼっこするにゃ!だからごめんね!約束はまた今度にするにゃ!!』
『えぇ〜!せっかく楽しみにしてたのに〜!』




 ぶつくさと文句を言って教室を後にするクラスメートを他所に、星空凛はお構いなし。
机にぐでーっと寝そべって気持ちよさそうに大欠伸をする。綺麗な犬歯が見えた。
 随分と自由気ままな性格のようで、変に気を遣わずにフレンドリーに話しかけてもらえるのは正直言って助かる。
僕はそこまで人と話すことに抵抗は感じないけど、僕の後ろに隠れて星空凛をじーっと見つめている幼馴染の花陽は警戒心丸出しなのだ。それくらい、人と話すことに慣れていない女の子なのである。




『花陽ちゃん?大丈夫だよ〜いい子だから隠れてないで話しかけてみたら?』
『ふぇ!?い、いやぁ...でもぉ』
『いいかあらあいいから♪』


 僕がぐいぐいと花陽の背中を押して彼女の近くに置いたのは少しでも友達を増やしてもらえればなという単純な願い。



『むにゃ〜♪確かにお日様の光は温かいにゃ〜』
『あ、あの...その...』
『ん?あ!貴女もこっち来て温まるにゃ!』
『え?』




 彼女は花陽の恥ずかしがり屋という一面を多分知らない。
だけど、あくまでクラスメートの一人を自分のやることに誘うだけという事。
深い意味もなく、ただ一緒に遊ぼう、と。




 花陽も最初はもじもじとしているけど、結局最後はゆっくり椅子を移動して星空凛の隣に座った。
ちらっと僕の方を振り向いたのち、ちょっぴり嬉しそうに微笑んだ。



『そういえば、自己紹介まだだったにゃ。私の名前は星空凛っていうにゃ!貴女のお名前は?』
『わ、私は...小泉、小泉花陽...です。”花”に太陽の”陽”って書いて、花陽』
『花に陽...じゃああだ名はかよちん(・・・・)に決まりだね!!!』




これが今後数十年にわたって星空凛から呼ばれ続けることになる”かよちん”の誕生であった。
特にとても興味深い出来事を経て花陽が”かよちん”と呼ばれるようになったわけじゃない。
 ごく普通の日常で、新しい友達ができてその子からあだ名をもらった。ただそれだけ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ