誕生日記念 野良猫と出会った僕
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だった。
『空...見てるの。好き、だから......』
『そうなんだ〜』
『うん、一面に広がる空がなんだかとっても羨ましい。なににも囚われず、なににも汚されず、綺麗で清々しくて...まるでかよちんの心みたいだにゃ♪』
『ふぇっ!?そ、そそそそそそんなことはははっ』
『そういうところ、可愛くてグッドにゃ』
『もう〜!恥ずかしいからやめてよ〜!』
笑顔であることに安心感を覚えた。
無理して笑っているようには見えないけど、それでも一抹の不安は拭えない。
『りんはね、春くんとかよちんがとっても羨ましいんだ』
『それは、どうして?』
『二人にはりんにはいない友達以上の仲良しに見えるからにゃ。喧嘩しちゃってもすぐにまたいつもの仲良しに戻れるように見えてさ、りんにもそんな友達が欲しいにゃ〜って』
凛は遊具から離れて足元に落ちている一枚の緑の葉っぱを手に取る。
『綺麗だにゃ〜』と呟く。
『いつも遊んでて、ちょっとは気になってたんだにゃ。いつもりんが遊びを提案して、それにみんながいいよってのってくれるんだけど、どこかよそよそしくてこれで遊びたくないのかなって思ったんだけど、言わなかったからりんも何も聞かなかった。コソコソ話もしてる時もあった。でも、私たちは友達だって、ずっと一緒だって言ってくれたから!だから...りんは、ずっと!』
『これ以上は話さなくてもいいよ凛ちゃん。大変だったね』
『りんがパンダを学校に隠したってことが悪いことだって知ってるもん!女の子らしくないってこともよくわかってるもん!...自分勝手なのも知ってるもん!』
暖かい雫が彼女の綺麗な頬を伝った。
今まで我慢してきたとこが限界を越えたのか、うえんうえんと泣き叫ぶ彼女がとても可哀想であまりにも惨めすぎた。
体を動かすことが大好きで、とにかく休み時間は外や体育館にいることが多かった。
男子も女子も関係なく巻き込んでそれが良いという人もいれば嫌だという人もいる。体を動かすよりも教室で静かに過ごしたい女子もいたかもしれない。それを有無を言わさず連れて行った光景を何度か億激した。多分、凛のそういう無神経さに腹を立てたのかもしれない。
だけど。
だったら尚のこと、ちゃんと話をすべきだったと思う。嫌いだからあの場で酷いこと言って晒し者にしていいわけなんてない。
考えれば考えるだけ辛くなるのと同時に。
この子を......不器用な女の子を支えたいと初めて花陽以外の子にそう思った瞬間だった。
『春くん、かよちん。ごめんなさい』
そう言った彼女の小さな手を、僕はそった握
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