EPISODE04勇者V
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しかし、今は無い物ねだりをしている訳にもいかない。
切り開くんだ。何としても。
せめて、彼女だけでも逃がさなければ。
「あなた、剣を使えるよね?」
真剣な表情で、まるで再確認するように凱を尋ねた。
凱もまた、「あ……ああ」と軽く返事をするが――
「ガイ、あたしを使って!」
「君は……何を……」
凱の問いかけに振り向くことなく、前に躍り出て、「何か」を呟き始めた。
意を決したような彼女の横顔は、祈祷に挑む神官のように、神秘的な雰囲気が出ていた。
――眠りを解け――
――真実を掴め――
――風をこの手に――
――神を殺せ!――
文言を終えると、白銀の疾風が彼女を包み込む。天高く舞い上がる可視粒子の光が満たされていく。その劇的に変化する神秘的な光景は、凱の目を釘付けにさせた。
(何だ……一体彼女に何が起きてるんだ?)
驚いたままの凱とは対照的に、ドリス、ペネロペ、マーゴットは待ちわびたように舌を巻いた。
「やっと姿を現したな!」
姿を現した、凱にとってその言葉の意味を理解するには時間を有した。
まさか、とは思うが……
――今日一日あたしにつきあってくれたら……魔剣の在り処を教えてあげるよ――
ああ、そういう事か。
彼女の言葉がとても頼もしく聞こえたのは、その為だったのか。
――ガオガイガー!俺を使え!――
――ガイ、あたしを使って!――
某勇者高校生が使う剣星人の姿と重なって見える。
凱の世界ではありえない、幻想的な展開。
目にしたのは、刺突専用の剣、1本のレイピア。
ゆるぎない意志が伝わるかのような、真っ直ぐな刃。
そんな剣の柄を、凱は迷いもなく手を取る。
街の大地に突き刺さっている魔剣に、手を差し伸べる。
――これが……魔剣――
握る手触りが、儚い刃の美しさが、全てが凱を引きつける。
そして……
彼の左腕に勇者の証、Gの紋章が浮かび上がる!
「行くぞ!お前達!」
勇者の口火に、3人娘が吼える!
「行くぜぇぇ!!」
「行くわよ!」
「行きますわ!」
一人と三者が突入宣言を果たし、第二回戦開始の幕が上がる。
「喰らいやがれぇぇ!!」
大地の魔剣が唸りを上げて、ドリスの咆哮と共に眼下を揺るがす奔流が襲いかかる!
先ほどの、余力を残した攻撃とは違う。全力の一撃だ。
絶対に避けられない、確実に捉えたと確信したドリスだが……
数メートル寸前に迫る危機を前にしても、凱は冷静に対処方法を見出そうとしていた。
「あいつ、何をする気だ?」
凱の不可解な行動に、ドリスはたまらず声を漏らした。
なぜなら、凱は「大地に対し
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