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活動日誌11 きっと・セイシュンが きこえる! 1
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 そして、真姫さんに続いて花陽さんと凛さんが微笑みを浮かべて言葉を繋げていた。
 ミューズとミュール――
 s を LL に変えただけだし、確かに音の響きも似ている。
 きっと、自分達でユニット名を言う時――メンバーとの思い出(去年の想い)を感じながら紹介出来るんだろう。とても良い名前だと思っていた。
 ――なのに、お姉ちゃんときたら?

「……履物(はきもの)じゃないよね?」
「――当たり前でしょっ!?」

 こんなことを言うんだもん。真姫さんが怒るのも無理はないよね?
 一生懸命考えたユニット名を履物扱いされたら、私でも怒るもん。
 まぁ、お姉ちゃんの場合 μ's の時も石鹸(せっけん)連呼(れんこ)していたそうだから?
 と言うか、空気読もうよ?
 なんて、口には出していないけど同じこと考えた私も同罪なんだけどね? ごめんなさい。やっぱり、姉妹なんだろうね。
 そんな冗談を交わして苦笑いを浮かべると、お姉ちゃんは再び海未さん達に微笑みを向けて――

「……私は良いと思うけど?」
「私も良いと思いますよ?」
「私も良いと思う」

 そんな風に聞いていた。海未さんとことりさんも笑顔で賛同する。

「それじゃあ、新しいユニット名は……」
「…… μ'LL に決定だね!」

 賛同を受けて、お姉ちゃんがユニット名を決定しようとして――ユニット名を言う手前で花陽さんに目配せをする。
 そう、今この場は花陽さんが部長として話を切り出したのだから、最終決定も花陽さんがするもの――そんな目配せだったのだろう。
 お姉ちゃんの意図を気づいた花陽さんは、微笑みを浮かべて頷くと、決定を言い切る。その言葉に全員が満面の笑顔を浮かべて拍手を送っていた。
 まるで、新しいユニット名の μ'LL が μ's からバトンを受け取って――今、羽ばたこうとしているのを見送るように。
 そんな全員の願いを受けて送られている拍手の中、これからお姉ちゃん達は μ'LL として活動していくのだった。
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